<東京芸大への失敗からJR車掌へ>「東京駅開業100周年記念Suica」をデザインした常磐線の女性車掌

社会・メディア

リチャード・ディック・ホークスビーク[古書店経営]
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「東京駅開業100周年記念Suica」は、東京駅開業100周年の当日、昨年12月20日午前7時14分に同駅で発売したが、希望者が殺到。8090枚を売った午前9時40分、安全面から販売が打ち切られた。
このいわく付きの「東京駅開業100周年記念Suica」をデザインしたのは、27歳の若きJR東日本社員、常磐線の女性車掌・鈴木裕理子さんだと、朝日新聞が紹介している。
筆者はこの何気ない記事を読んで感激してしまった。
鈴木裕理子さんは、都立芸術高校から、絵描きになろうと東京芸大を目指したが、2度失敗。夢はきっぱりとあきらめて、フリーターや簿記専門学校学生として3年間を過ごした後、JR東日本に就職した。
そして今度は、1枚2千円で、499万1千枚という購入申し込みが殺到した「東京駅開業100周年記念Suica」である。裕理子さんの画を買いたい人がこんなに居た。絵描きに、それも売れる絵描きに裕理子さんは、なれたのである。
夢は叶わないこともあるのを知るのが大人だが、こういう形で叶うこともある。他人が行くからと漫然とした理由で大学に進む人が多い中、裕理子さんの生き方はすてきである。
運の女神はこういうすてきな女性を見逃さない。そう思うとこちらの気持ちも明るくなる。
 
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