[茂木健一郎]<勘違い?それとも幻想?>子どもの頃に見た「仮装行列」はどこに消えた?


茂木健一郎[脳科学者]

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今年はデモが流行っているが、それで思い出したのが、「仮装行列」である。

子どもの頃、高校生がやっていたり、町内会みたいなもので大人たちがやっていたりするのを見た記憶がある。

最近見なくなったように思う「あの仮装行列」は、どのようにして生まれ、消えていったのだろうか?

仮装行列といっても、なんとなく記憶しているのは、一つの統一されたテーマとかモティーフがあるわけではなかった。みんなが、それぞれ手作りの衣装というか、ダンボールみたいなもので、貧相な仮装をして、統一感なくただ歩いた。それをみんなが見て笑っているというイメージである。

友だちなんかに聞いても、そのような仮装行列を子どもの頃にやった、見た、みたいな話をする人が多い。ところが、最近さっぱり見た記憶がないので、どうやら、文化事象としては一時期(おそらく昭和のある時期に?)流行って、そのあと衰退していったものと推定されるのである。

仮装行列の何が楽しかったかというと、まず、大人たちが真面目に馬鹿なことをやっている、その雰囲気が子ども心に楽しかった。また、今のような、アニメのキャラとか、ディズニーキャラクターじゃなく、妖怪とか、国定忠治とか、土俗性とか神話性が高かったことだろうか。

格好良いとか、今っぽい感じじゃなくて、それこそ百鬼夜行のように、どこからかぼーわーんと出てきた。そのような感じでやっていた手作りの仮装行列。

確か、今くらいの秋にやるものだったような気もする。だが、あれはどこから来て、どこに行ったんだろう? それとも、単に、僕の勘違い・幻想?

(本記事は著者のTwitterから編集・転載をしています)

 

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茂木健一郎

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)脳科学者。株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。1962年10月20日、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程終了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を出て現在に至る。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。