[西野亮廣]<CMは邪魔モノではない>「結果はCMのあとで!」ズコー!みたいなテレビ、もうやめません?


西野亮廣[芸人(キングコング)]

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テレビはCMのスポンサーさんからお金を貰って作ってる。その上で、

「結果はCMのあと!」

ともってゆき、「CMを挟むのかぁ~。ズコー!」みたいなよくあるテレビのノリ。こんなことを、もう何十年も皆やってるけど、あれ、メチャクチャ間違っていない?

CMを「邪魔なモノ」にしたって、得をする人は一人もいない。スポンサーさんはもちろん、番組を作っている人も、一番大切にしなきゃいけない視聴者も。そんなことを続けたら、そりゃ、CMは嫌われるし、CMスキップ機能は生まれるし、当たり前だけどCMの効果だってない。

テレビ番組の視聴率はCM中もカウントされているわけで、つまり「CMも含めての番組」。それなのに、

「今から邪魔なモノが流れますよ。ちょっとの間、我慢してくださいねぇ~」

とネガティブなアナウンスをし、視聴者を突き放しておいて、「若者のテレビ離れが激しい…」と頭を抱えるなんて、ワケがわからない。やってることがムチャクチャだ。

まず、CMと手を組まないと。敵にしちゃダメだし、悪にしちゃダメだ。本質的には、「CMも含めての番組」にも関わらず、番組の総指揮と、CMの総指揮が別の人間であることが問題なんだろう。

早い話、番組ディレクターが番組放送中に流れるCMも担当すれば、CMも観てもらうように努力するだろう。間違っても、「CMで引っ張る」みたいな不毛なことはやらない。

YouTubeの頭に貼り付いているCMもすごく邪魔。「広告は5秒後にスキップできます」って
なんなの? なんで我慢する時間帯が存在するの? 当然、そんなCMは観ないし、本編を観る気さえ失せる。

今、僕が企画している、ハロウィン後の渋谷の街のゴミを一掃する「渋谷ゴーストバスターズ」。これには、渋谷区さんや、東急電鉄さんや、そごう・西武さんや、本家「ゴーストバスターズ」のソニーピクチャーズさんや、背中に背負う掃除機を提供してくださったダイソンさんや、ボランティアスタッフにプレゼントするトートバック型のダストボックスを作ってくださったROOTOTEさん・・・と、多くのみんなの協力を受けている。その全員があってこそ成立する企画だ。

この企画に関して僕は、大声で言えることがある。

「東急電鉄って超カッコイイでしょ? こんなバカな企画に乗っかってくれんだぜ」

って。ダイソンさんの掃除機を背負って、

「どうよ、このデザイン。めっちゃカッコイイでしょ? ドキドキするでしょ」

って。ステマでも何でもない。ステルスなんてしていない。くれぐれも言っておくけど、「渋谷ゴーストバスターズ」企画では、宣伝を頼まれたわけでもない。もちろん、ギャランティーなんて1円も発生してない。

違和感なく企画に絡んでいるし、そのことによって、お客さんもドキドキする。たとえば、突然、口紅を販売している企業から「協力したいのですが…」と声をかけられたら、皆で集まって、「じゃあ、ハロウィンの清掃の企画に、どのように口紅を入れ込んだら、企画が、よりドキドキするものになるかな?」というナゾナゾを解く。そんな感じだ。それでウィンウィン。

間違っても、「じゃあ、お金ください。告知タイムを作りますんで」と切り離して、「ここからCMです。ズコー」みたいなことはしない。

とはいえ、番組ディレクターがCMまで担当するというのは少し難しいだろうから、せめて、「CMです。我慢してね」の演出だけは、自分達の為にも辞めた方がいいと思う。

CMがもっと娯楽になればいいなぁ、と思っている。

 

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西野亮廣

芸人吉本興業
西野亮廣(にしのあきひろ)お笑いタレント、俳優、絵本作家、漫才コンビ「キングコング」のツッコミ、ネタ作り担当。1980年、兵庫県出身。タレント活動と平行しつつ、2013年2月には、ニューヨークのトライベッカ「One Art Space」で初の海外絵本絵画展「Akihiro Nishino Solo Art Exhibition」を開催。同年11月には「TDW ART FAIR 2013」の「小川登美夫賞」「川崎健二賞」も受賞。著書に、「グッド・コマーシャル」「嫌われ西野、ニューヨークへ行く」「Dr.インクの星空キネマ」「ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス」「オルゴールワールド(原案:タモリ)」など。