<女性市議72歳と男性市議66歳がセクハラ醜聞>税金を利用した「ドンチャン騒ぎの宴会視察」の常態化こそ最大の問題点


水野ゆうき[千葉県議会議員]

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「号泣県議」に代表されるように、近年、有権者にとって「政治家のモラル」を考えさせられる出来事が多発している。

そしてまたもや地方議員のモラルや質が問われる事件が起きた。長崎県対馬市の入江有紀市議(72歳・当選1回)が同僚である大部初幸市議(66歳・当選4回)から「セクハラを受けた
」として訴え、それは刑事告訴へ発展する見込みだ。

「セクハラを受けた」とする入江市議のテレビでの生々しい告白と内容に視聴者は様々な反応を示し、インターネット上でも炎上中だ。内容はこうだ。

熊本県菊池市での視察中に、宿泊した部屋に対馬市議たちが集まり2次会が開かれた。対馬市議会で女性は入江市議のみ。したがってその部屋でも女性は入江市議しかいないという状況。

その2次会の場で、入江市議は大部市議に自分の「胸の話」をされ、ブラジャーを首まで持ってこられ(詳細は割愛)、下着に手を入れられたり、馬乗りにされて、浴衣を剥がされた等、50分間にわたりセクハラ行為を受けたというのだ。

一方で大部市議は「飲み会には向こうから誘われた」と主張し、押し倒したのではなく、酔いが回っていてコケただけであり、入江市議が右に座っていたから右肩を抱いただけと取材に答えている。

しかし、今回のこのセクハラ騒動、72歳と66歳による生々しいセクハラ醜聞といこともあり、やたらと議員の年齢や内容ばかりが焦点となり、本来あるべき議論が取り残されていると言わざるを得ない。

筆者は地方議員歴5年となる。市議も県議も経験している中で、もちろんこの間、市議会・県議会で先進市の視察に行っている。個人的に視察に行く場合は政務活動費を使わない(我孫子市議時代は政務活動費が月2万5千円のために使いようがない)が、委員会等の視察はもちろん市民・県民の税金で行く。

政務活動費を使わないにしろ、我々の報酬自体が税金であるため、結局は税金である、という根本的な問題がある。まず、今回の事件には筆者にとって信じられないことが複数あることを指摘せねばならない。

それは2次会の宴会に女性1人で男性市議の一室に赴いたと報道されていることだ。視察は遊びに行っているのではない。1日の視察行程終了後に、夕食がてら1次会で議員や随行職員と時間を共にすることはもちろんあるし(参加しない議員もいる)、1次会終了が早ければ親しい議員や同じ政党や会派の議員同士で他の店に2次会に行くということもあるだろう。

しかし、いくらなんでも2次会に女性議員が浴衣姿で1人、男性議員の部屋に行くだろうか。もし筆者が同じ立場であれば絶対に行かない。先日、筆者は千葉県議会の常任委員会にて北海道に視察に行き、この時は紅一点であった(千葉県議会は95名中女性議員9名)。

それでも、対馬市議会のような宴会とは程遠いもので、夕食会では政策や視察先の話をしたり、最大会派の諸先輩議員も無所属・1期目・女性最年少の紅一点の筆者に気を遣ってくれ、千葉県議会の男性議員は極めて紳士的であると断言できる。

今回の件について、この記事を書くにあたり千葉県議会の男性議員たちに意見を求めたが、「考えられない」というものだった。

そもそもこういった問題が報道されるタネをつくっているのは議員たちであり、視察先の「宴会」の「セクハラ」内容が報道され、刑事告訴にまで至るということ自体が重大な問題なのだ。

もちろん、これらのセクハラ内容が事実であれば、女性議員としては許しがたい行為であり、ネット上で騒がれている年齢は一切問題ではない。

ただし、どちらにしても議員たちを選んでいるのは地元の有権者である。視察というのは、自分たちの住んでいる街を良くするために先進市・県に調査・研究しに行く行為であり、夜を楽しみに行くわけではない。ましてや、次の日も視察行程があれば、翌日に備えて夜は早く寝た方が良い。

そして、残念ながら今回のような「ドンチャン騒ぎ視察」は対馬市議会だけではないことは言っておこう。視察先でバスに乗ると「千葉県議会さんは真面目ですね」と言われるのだ。
税金で議員たちが訪れる視察内容について、有権者も目を光らせる時代が来ただろう。

 

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水野ゆうき

市議会議員千葉県我孫子市議会
水野友貴(みずのゆうき)千葉県我孫子市議会議員(現在市議会最年少議員)。千葉県我孫子生まれ(1983年2月19日)。 小学3年〜中学2年は米国ロサンゼルス在住。津田塾大学学芸学部国際関係学科に入学・卒業後、東証一部上場企業にて5名の役員秘書を経験後、民放テレビ局に転職。報道局経済部に在籍し日経平均中継等を担当後「BSフジLIVE PRIME NEWS」キャスティング担当。2011年11月に行われた千葉県我孫子市市議会議員選挙に完全無所属・最年少候補者として立候補。前回の市議選トップの票を上回る3016票を獲得し3位当選。地盤・看板・鞄なく、SNSを駆使してボランティアを募り自宅で選挙戦を行ったことや、ネットを活用した情報発信力強化を政策の柱としていることからSNS議員と呼ばれる。