<「育休宣言」やっぱり売名?>「育休宣言を批判した人たち」は宮崎謙介議員の「人となり」に反対していた?

政治経済

メディアゴン編集部
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「国会議員になりたい」と思う動機にはどんなものがあるのか。立身出世願望か、社会正義の追求か、金か、はたまた他人が想像もできないような欲望追求のためか? それをいちいち書き出すことはできない。様々な理由があるのだろう。
しかし、一国民、一有権者としては、「こんな動機の人だけには、絶対に国会議員になって欲しくない」という「ヒドい動機」があるように思う。

「今の仕事に行き詰まってしまった。私はこんなことで終わる人間ではないはずだ。一発逆転を狙う方法はないか。そうだ、国会議員になろう。」

といったような動機の人だ。こんな動機では国会議員になれないと思う人もいるだろうがそれは甘い。案外とそういった国会議員がいるように思う。
女性であること、イケメンであること、有名人であること、若いこと、ハンディを持っていること。これら何かひとつでも持っていて、運とタイミングと潮流に乗ることができれば、「なれてしまう」のが国会議員という職業だ。こういう光景を見ると、日本の民主主義はどうなったのかと思わされるが、選ぶの国民であり、いかんともしがたい。
さて、自民党・二階派のイケメン衆院議員・宮崎謙介(35)が、上記のような動機であったかどうかは定かではない。その彼は2015年12月、妻の、同じく二階派・金子恵美衆院議員(37)の出産を前に、「育児休暇取得宣言」をぶち上げた。「一億総活躍のため国会議員の立場から男性の育児参加を推進する」と発言したのである。
まるほど、それは良い案だ、と思った人も多いはずだ。自民党の議員たちだって、賛成するだろう、と。
ところが雲行きは怪しかった。「国会を放り出して一ヶ月も休みを取るとは何事だ」といった、国会議員としての責務と仕事を優先すべしという声。「子どもを使って売名行為をするのか」といったような「育休宣言」を宮崎議員のパフォーマンスだとする批判する声も上がった。とくに所属元である二階派までも、宮崎議員を「呼びつけって叱った」と、新聞は報じている。
表立って応援していたのは、以下の3名ぐらいだ。

  • 安倍首相「それでこそ政治家だ」
  • 菅官房長官「有給の議員立法を超党派で作れば」
  • 塩崎厚労大臣「イクメンをやってもらわないと厚労省として困る」

かれらの発言は、育児休暇に反対する人々よりは筋が通っているように思えた。しかし、これら応援団たちのエールは、「宮崎議員の人となりを知らなかった」から発せられたに過ぎなったようだ。
宮崎議員を批判していた人たちは、彼の「育休云々」に対してではなく、その「人となり」を知っている人々であり、「宮崎議員がとる育休に反対」していたのではなか、と思われるふしもある。結果的に、両手を挙げて「宮崎議員の育休」を応援した人たちは非常にカッコ悪い状態になってしまった。

「出産直前の夫人金子恵美議員を東京に残して、宮崎議員はベつの女性と京都にいた」

と「週刊文春」が報じたからだ。大人なのだから、プライベートで何をやっても文句は言わないが、有権者としては、「こういう人」だと分かっていれば、絶対に票を入れない。消去法で「自民党だから」という理由だけで宮崎議員に投票した京都の人々も可哀想だ。もちろん、「こういう人」の育休宣言など信用できないので、自分が議員なら絶対に与えたくない。
もちろん、国会議員の育休取得が超党派で提案するような日も、今回の一件で、一気に遠のいてしまったように思う。いかんせん、心象が悪い。その点でも、宮崎議員の責任は重い。
 
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