<NHKのバラエティはつまらない。しかし…>NHKしか実験的・進取の精神に富む番組が作れなくなった理由


高橋秀樹[放送作家]

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NHKのバラエティはつまらないといわれる。

その通りである。NHKは「バラエティなど作らずもっと天下国家を考える番組を作りなさい」という、議員もいる。余計なお世話であると思うが、表現の自由に踏み込むけしからん発言だとも思うが、一理あるとも思う、それもこれもNHKのバラエティがつまらないからである。

なぜ、つまらないのか。企画を製作者の思い通り実現しようと思うあまり、「破調」がないからである。一方で、民放はといえば「視聴率を取ってやろう」というスケベ心が透けて見えるから、こちらもまたつまらない。NHKの凡庸なバラエティの代表は『伝えてピカッチ』(総合 毎週土曜 午後7時30分~8時)

ところで、NHKのバラエティは実験的で進取の精神に富んでいる。

その体表例は『バリバラ〜障害者情報バラエティ』(NHK Eテレ)、『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(総合 毎週木曜22時)『着信御礼! ケータイ大喜利』(総合 月3回土曜深夜)であるが、面白いかどうかというと、つまらない。理由は前述の通りだ。

しかし、ここには大きな意味がある。

番組はいきなり当たればそれに越したことはないが、いきなりは当たらず、当たる芽を見つけようとする「事件」が必要だからである。かつてはこれを民放がやったものだが、今は見る影もない。

民放局がクリエイターの集団であろうとするのであれば、経営陣が深く反省すべ点である。(高橋秀樹[放送作家])

 

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