<キンコン西野の本音>仕事の優先順位は「何をしたいか?」ではなく「誰としたいか?」


西野亮廣[芸人(キングコング)]

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基本、人と会わなかったら、365日、全食事が蕎麦。とにかく一人の時は飯に時間を使いたくなくて、昼と夜を合わせて10分も費やさない。ときどき、

「一流の人間は食にこだわりを持っているものだ」

「『食に興味がない』なんて、人生の楽しみの半分以上を損している」

といった説教をくらうんだけれど、そんなことを言ってくる「食にこだわりを持っている奴」よりも面白いモノを作ってる。僕には1秒でも早く作業机に戻ってやりたいことがあって、そこから長時間離れることなんて苦痛でしかないんだよね。女の子と二人でイチャイチャしている時は例外だけれども。

「飯を大急ぎで済ませて・・・」という、この感じは小学校の昼休みからきている。

とにかく早く給食を食べて、運動場に飛び出していかないと、他の学年の、他のクラスの奴らに、ドッジボールのスペース(当時は『陣』と呼んでいた)を奪われてしまうのだ。毎日、大急ぎで給食を飲み込んで、牛乳を一気飲みして、運動場に走っていった。

周囲から僕が『小2病』と言われてしまう行動のルーツは、そこにある。

最近、分かってきたんだけれど、仕事ひとつとっても、僕の中では、「何をしたいか?」よりも、「誰としたいか?」の方が優先順位が上なんだよね。

大急ぎで給食を飲み込んで、運動場に飛び出していったけれど、運動場はとっくに高学年の連中に占拠されているということが珍しくなかった。売れ残っていたのは、スベリ台と、その横にあったブランコ。

こんなもので遊んでも何も面白くないので、「スベリ台とブランコを使って、何か新しいゲームを考えようぜ」と言って、友達と、アイデアを搾り出している時間は楽しかったし、新しいゲームを思いついた時も、実際にプレイしている時も結局ドッジボールよりも楽しかった。

その結果、

「4台連なっているブランコを、みんなでブンブンこいで、『鬼』とよばれる奴が、スベリ台の上からタイヤを転がして(運動場の隅に、車のタイヤがよく落ちていたのだ)、ブランコに乗っている奴に命中させたら、鬼と交代」

という遊びを考案して、数か月後に高学年の連中が真似しはじめて、「あいつら、ダッセーな」と言って辞めた。

ブランコの揺れが小さかったら、それだけタイヤに当たる確率が高くなるし、だからといって、おもくそ漕いで揺れを大きくしたら、タイヤに当たった時のダメージがデカい。

この駆け引きがメッチャ楽しかったし、『友達』よりも『ドッジボール』を優先していたら、ここに辿り着かなかったんだよね。結局、「友達と一緒だったら、何をしても面白いし、面白くできるんじゃねーの?」という感覚が、この頃からある。

今、イラスト特化型のクラウドソーシングの会社と一緒に、『えんとつ町のプペル』という絵本を分業制で作っている。(https://wesym.com/ja/projects/nishino/

もともと、「世の中のほとんどのモノが分業制で生まれているのに、分業制で作られた絵本が存在しないのだろう?」という疑問は持っていたけれど、

「じゃあ、自分で作っちゃおう」

と思ったのは、イラスト特化型のクラウドソーシングの会社との出会いがキッカケなんだよね。エンタメ業界の裏で暗躍している知人から「面白い人がいるので、食事会をセッティングします」と言われ、ノコノコと行ったら、そこで出会った。

話せば話すほど面白くて、キチンと野望もあって、「あ。この人とだったら、たぶん何をやっても面白くできるんだろうな」と思ったので、その場で一緒に仕事をすることを決めた。面白い人と出会えた帰り道は、もうずーっとニタニタしていて、それこそ先日収録したフジテレビの『ハミダシター』の帰り道なんて、ずっとニタニタ。

「あ。また面白くなるじゃん」って感じ。「あの人と仕事をすることになったら、何をすれば一番面白くなるかなぁ」と、ずっと考えている。

最終的には明るいところに着地したいね。

ちなみに、最近、神社を作りたくて、今朝はずっと土地を探してました。あと、偉人は皆、銅像になっているので、形から入りたい僕は、先に銅像になってから、偉人になろうと思っていて、銅像のことも調べていた。

等身大の銅像は500~600万円ぐらいで作れるらしい。

 
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西野亮廣

芸人吉本興業
西野亮廣(にしのあきひろ)お笑いタレント、俳優、絵本作家、漫才コンビ「キングコング」のツッコミ、ネタ作り担当。1980年、兵庫県出身。タレント活動と平行しつつ、2013年2月には、ニューヨークのトライベッカ「One Art Space」で初の海外絵本絵画展「Akihiro Nishino Solo Art Exhibition」を開催。同年11月には「TDW ART FAIR 2013」の「小川登美夫賞」「川崎健二賞」も受賞。著書に、「グッド・コマーシャル」「嫌われ西野、ニューヨークへ行く」「Dr.インクの星空キネマ」「ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス」「オルゴールワールド(原案:タモリ)」など。