「ホニャララ」の発明こそ久米宏が天才である証明


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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6月3日放送のNHK「あさイチ」に桂文枝(元・三枝)さんが出演していた。司会の井ノ原快彦に、

「『ホニャララ』を発明したのは『クイズ!年の差なんて』の文枝さんですよね?」

と聞かれた文枝は、そのことには答えず、『クイズ!年の差なんて』(1988〜1994・フジ)がどういう経緯で生まれたのかを話し出した。

質問に答えなかったのは文枝が「『ホニャララ』の発明者は自分ではない」と分かっているからだろう。さすが文枝、実に潔い。井ノ原の世代では『ホニャララ』は三枝となってしまうのだろうか。

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『ホニャララ』を発明したのは、『ぴったしカン・カン』(1975〜1986・TBS)の久米宏なのである。『ぴったしカン・カン』は現行の安住紳一郎司会『ぴったんこカン・カン』とは全く違う番組である。

『ぴったしカン・カン』の久米宏は新婚早々であった三浦友和をゲストを迎えてこう、問うたことがある。

久米「友和さんにスタッフが『無人島に何か一つ持って行くとしたら何を持って行くかと?』伺ったところ、開口一番『ホニャララ!』と叫びました。一体何と叫んだのでしょう? 正解はこちら!」

答えを知った会場では悲鳴。なぜなら、その正解が『山口百恵』だったからである。

この『ホニャララ』は大変汎用性のあるフレーズで、そこが久米宏の天才たるゆえんであるが、後続の司会者が偉かったのはこの『ホニャララ』が、あまりに印象に残るフレーズだったためもあって、決して真似しなかったことである。

『アイ・アイゲーム』(1979〜1985・フジ)の山城新伍は『チョメチョメ』と言い、『なるほど!ザ・ワールド』(1981〜1996・フジ)の愛川欽也は『ペケペケ』と言った。『ホニャララ』は『ぴったしカン・カン』の久米宏のものだったのである。

『ぴったしカン・カン』の構成をやっていた筆者はこの『ホニャララ』を他の番組では絶対に使いたくなかった。だから、それに変わるフレーズを必死で考えてきた。しかし、とうとう思いつかなかった。そして、思いつく間もないウチに久米宏は軽やかに『ホニャララ』を越えてしまった。

久米「夏目雅子さんは、『ホニャペケホニャムク』しているときが一番幸せなんだそうですが、一体、何を『ホニャペケホニャムク』しているときが幸せなんでしょう? 正解はこちら!」

 

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