<移転は最短で来年冬>築地市場関係者たちを置き去りにした豊洲移転問題

山田一夫[ライター]
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築地市場の豊洲移転問題は解決の見通しが立っていない。一番の被害者である市場で働く人々の意見や希望がないがしろにされたまま、問題はこじれ続けている。
先日、築地市場へ行ってみた。そこで場外市場で醤油豆を売っている店のご主人に聞いた。

「昭和の初め頃からここでやっているからあちこち傷んで来てるからね。魚屋さんたちは一日も早い解決を望んでるよ。」

午前10時を過ぎると千軒とも言われる市場内鮮魚店の見学が許されるというが、遠慮した。何しろ、各店とも多忙の真っ最中なのだ。筆者は今日はここで買い物の予定はないのでもっと落ち着いてから市場内に入ろうと決めた。見て回るだけなら冷やかしだから、なるべく各店の邪魔にならないように時間をずらす積もりだ。
【参考】<ついにはじまった豊洲問題の処分>市場長は2階級降格!懲戒人事が続々
朝食がまだだったので海鮮定食味噌汁付きの店に入った。雲丹イクラ刺身の盛り合わせに熱々のご飯と味噌汁がセットで980円。筆者のごとき貧しい年金受給者にとっては実に幸福な朝食になった。
食後、場内市場に向かったが、その途中、「東京魚市場卸協同組合」という厳めしい木製看板の掛けられた建物の掲示板が目についた。
掲示板には東京都からの通知文が張り付けてあった。内容は豊洲市場へ移転するさいの費用を東京都が利子補給の上、融資するというもので、その申し込み期限は平成28年春で終わっていた。
筆者は今回の豊洲移転延期に伴い被害損害を被った市場関係者に対する東京都の救済融資に関する報知なのかと期待しつつ貼り紙を見たのたが、一瞥して絶望的な気分になった。都知事は「都民ファースト」と言うが築地市場の人々は都民じゃないのか。

「俺たち魚屋をなめんじゃねえぞ。」
「築地の人間が東京都に対して何か悪さでもしたことがあるか!?」

そんな市場関係者たちの怒りの声が聞こえてくるようだった。無理もない。一番の被害者である築地の人たちに対する具体的、現実的、かつ有効的な補償策、解決策はまだ何も明らかにされていない。
 
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