めちゃイケ『君の名は。』パロディのココが惜しい!


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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12月10日の『めちゃイケ』(フジテレビ)は久しぶりに同番組が主戦場のひとつとするパロディに挑んだ。その志はすばらしい。できも良かった。

パロディは基本的に自分たちより(大きなもの)に挑まないと面白くない。ところが、パロディをやり続けているうちに番組のほうが大きくなりすぎて、皆、他のものが自分より小さいものになる。すると、パロディにしにくくなる。それがめちゃイケの現在であった。

そこに大きなパロディの対象があらわれた。興行成績200億円とも言われるアニメ映画『君の名は。』である。いただきだ。

不仲が噂される岡村隆史と、キングコング西野亮廣が、それぞれの似顔の仮面をかぶって入れ替わる。

岡村は西野が『ひな壇に座らないと決めました。そんな奴がどうなるのか、僕が一番興味があります』と述べていること等を理由にして西野を嫌っていた。西野も岡村に嫌われていることを知っていた。

そのふたりが入れ替わったことで互いの生活を経験して次第に誤解が解けて行く。パロディは元を知らない人が見ても面白くなくてはいけないが、その点は手練れのめちゃイケスタッフ、大丈夫である。ここで起用されている博多大吉は抜群にうまい。

【参考】キンコン西野「居酒屋で愚痴を言うぐらいなら会社を辞めろ」

ダウンタウンの松本人志が著書『遺書』でナインティナインをダウンタウンのパクリ、チンカスと書いたことで確執があったのだが、その松本が今岡村を認めていると振る。松本が、どう発言しているか岡村は聞きたくてしょうがないが大吉は言わない。

こうした過程があって、あとは感動の仲直りのハグになだれ込む。

笑いの番組だから『感動』で終わってはいけない。見ている方は感動で終わっても良いのにと思う人もいるだろうが、笑いの番組のスタッフとしては「感動終わり」は許せない。

ジョギング途中でやって来た設定の濱口優がふたりの感動をぶちこわす。しかし、この程度のぶちこわしではスタッフは満足しない。

岡村の独白ナレーションが入る。

岡村「ずっと何かをさがしている。あの日からそんな気持ちにとりつかれている」

「めちゃイケ的な何かを。パロディとしての出口を。ずっと探し続けているようなそんな気がする」

「それが何かはわからないまま・・・」

『君の名は。』エンディングの名シーンである階段。西野と岡村がすれ違う。互いに名を呼んで、肩を抱き合ってメシを食いに行く。

そのあとに、この日一度も出てこなかった矢部浩之が出てきて「ちびっ子達、あんな大人にはなるな」と言う。

ここは矢部は必要ないのではないか。それは無理だという大人の事情を無視して言うと、ここで出てきて落ちるのは松本人志だけである。そして、たとえば松本が次を言うのはどうだろう。

松本「お前らはええけど、オレはモヤモヤしたままやないか。なんとかしてや」

本物の松本がダメならこのセリフを松本のお面をかぶった矢部に言わせるのはどうか。

 

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