<任天堂ゲームセミナー>未来のゲームクリエイターの作品には意外な名(迷)作も?③「必撮!センターヒーローズ」


八坂亮[ゲームクリエイター]

任天堂が開催している学生向けのゲーム開発体験セミナーである「任天堂ゲームセミナー」。約一年間、プロに直接指導されながらゲームを作りあげるカリキュラムです。ちなみに、ここで作られたゲームは一般に公開されており、昨年度「任天堂ゲームセミナー2013」で開発されたゲームも現在WiiUで配信中。

…とのことなのでモチロン遊んでみました!の第三回目の今回は・・・

■今どきっぽい?『必撮!センターヒーローズ』

今回ご紹介するゲームは『必撮!センターヒーローズ』。
「写真のど真ん中に写るため」に、必死にカメラの枠の中に納まり続ける、というゲームです。アイドルもセンターポジションを奪い合う昨今ですから考え方によっては、今時っぽい題材といえるかもしれません。

ゲームの画面は『ボンバーマン』を想像していただくと良いと思います。『ボンバーマン』のステージ内にカメラのフレームが出現し、フレーム内をめがけてみんなで競争します。フレーム内に到達した後は体当たり攻撃でライバルをふっとばす、どつきあいによるフレーム内の生き残りをかけた戦いを時間いっぱいまで行います。

・・・と、いったゲームです。本当にこれ以上でもなければ以下でもありません。実は、このゲームについてはあまり語るべき言葉が浮かびません。やや未完成な部分や遊びになりきれてない部分も目につき、率直に言ってしまうと少々物足りないです。

■ゲームは成長を楽しむ物

この物足りなさの要因は「成長感の無さ」にあると思います。といっても、キャラクターのレベルが上がればいい!という話ではなくゲームを遊んでいるプレイヤー自身の成長感が足りていないように思います。

『スーパーマリオブラザーズ』をはじめて遊んだ時、簡単にクリアできたでしょうか? きっと何度も失敗と挑戦を繰り返し、その結果やっとのことでクリアにたどり着いた事と思います。これは、繰り返しながらステージを覚えたり、攻略法を編み出したりといったプレイヤー自身に蓄積される経験と情報があって上達したから得られる結果です。これが成長感です。

そういった点をふまえ、『このセンターヒーローズ』はどうかといえば、何をすればうまくセンターを獲得できるのか、どう立ちまわれば有利なのかが繰り返し遊んでもなかなかピンと来ません。そのため「自分が上達している感覚」がありません。プレイヤーを褒めてあげたり、テクニックを誘発するような実感する仕掛けが少なすぎるのかもしれません。

■ゲーム作りに「時間が足りない」はつきもの

きっと、うまくまとめられるだけの時間がなかったのでしょう。しかしながら、ゲーム制作に「時間が足りない」はよくある事です。かくいう自分自身も今まさにそんな状況でゲームを作ったりしています。(ああ、眠い…)

一歩間違えれば自分のゲームもうまくまとまらなくなるかもしれません。そんな緊張感もゲーム作りならでは。学生のうちからそれを味わえるっていうのもゲームセミナーのいいところなのかもしれませんね。(八坂亮[ゲームクリエイター]

 

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八坂亮

八坂亮(やさか・りょう) ゲームクリエイター 1986年、大分県生まれ。大手ゲームメイカーにて、家庭用のゲームソフト開発を行う傍ら、『らくがきラボ』名義でスマホ向けゲームも開発にも従事。一人でも多く人に「ゲームが楽しい」と感じてもらえるよう日々精力的に活動中。