民進党は直ちに分離・分割を完了させるべきだ -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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民進党問題の本質は、これまでの民進党に2つの政党が同居していたことにある。

このことは、9月の民進党代表選で改めて明らかになった。2つの政党は基本政策についての基本方針がまったく違う。私たちの目の前にある重要問題。原発、戦争・憲法、消費税、基地、TPPについて、基本的に正反対の政治勢力が民進党内に同居していた。ここに問題の本質がある。

野党共闘が叫ばれてきたが、野党共闘の勢力が目指す方向は、『原発廃止』『戦争法制廃止・憲法改悪阻止』『消費税増税中止』『辺野古基地建設反対』『TPP不参加』だった。

ところが、民進党内には、『原発容認』『戦争法制容認・憲法改定推進』『消費税増税推進』『辺野古基地建設容認』『TPP推進』の方針を掲げる勢力が存在してきたのである。基本政策が異なる勢力がひとつの政党内に同居することが根本的な矛盾である。

民進党の代表戦は、このことを浮かび上がらせた。したがって、この時点で民進党の分離・分割を真剣に検討するべきだった。

枝野幸男氏はいまでは、基本的な考え方、理念に賛同する人が加わることを歓迎すると述べているが、民進党代表選の時点では、水と油の同居について、これを解消する必要性をまったく訴えていなかった。

これこそ、「永田町の数合わせの論理」そのものなのである。「民進党を解党せずに一致結束して進む」という言葉は、耳に聞こえが良いが、政党の本質に背く文字通り「数合わせ」の論理に過ぎない。主権者の草の根の声に背くものだった。

このことを踏まえれば、今回の騒動を経て、民進党が分離されたことは極めて望ましいことである。参院民進党は残存しているが、参院についても、基本的な政策理念、政策方針に沿って、分離・分割されるべきである。この問題は、民進党の支持母体である連合にもそのまま当てはまる。連合参加の組合も文字通り「水と油の混合物」である。

原発・戦争法制・消費税増税・辺野古基地・TPPを容認する組合と、これに断固として反対する組合が同居している。基本政策が真逆の組合が連合していることに根本的な矛盾がある。これは「連合」ではなく「野合」に過ぎない。

希望の党に合流したが、基本的な政策方針が違うと認識している議員も存在するだろう。そのような議員は、希望の党を離れて立憲民主党に所属を移すべきである。参院民進党が矛盾を抱えたまま、ずるずると存続するべきではない。

また、前原誠司氏は直ちに民進党代表を辞任するべきである。問題は、政党交付金の残高処理にある。政党交付金はれっきとした「公金」である。その使用には100%の正当性と透明性が求められる。

代表に就任したからといって代表の私的な資金になるわけでない。前原氏は代表就任後の政党交付金の使用状況について、党内にすべての明細を公開する責務がある。

民進党を速やかに分離・分党して、政党交付金残高も議院数比で按分して分離・分割するべきだ。民進党の水と油が分離されることにより、日本政治のもたつきは一気に解消に向かうことになると考えられる。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。