NHKドラマ『炎上弁護人』が描いたネットのリアルとは?

和田海作[メディアゴン編集部]

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昨年末12月15日に放送のNHKドラマスペシャル「炎上弁護人」を見た。
インターネット上では、日頃から「炎上」という現象が頻繁に起こっており、実際の火事と同様にボヤから大火事まで、大小日々どこかで炎上が発生している。最近では、有名人だけでなく、一般人であっても炎上の危険が身近に潜んでいる。

本作も一般的な主婦が、ツイッターで呟いた一言(日常生活における不満)をきっかけに炎上を巻き起こすあらすじになっている。

「そもそも、ネットで書き込みをする奴なんていうのは、ろくな人間ではない。現実社会では面と向かって対した意見も言えないようなクズ人間の集まりだ。実名をさらして同じ意見を言えない小心者が、架空の自分になりすまし言葉の暴力を振りかざしているにすぎない」

たとえば、このように私がコメントしたとすれば、炎上する可能性があるのだろうか。この文章を読んだときにうまれる、怒りや憎しみ、喜びといったものこそが、その人が持つ本来の感情だ。

【参考】LINE BLOGとツイッターからネットの発言の自由について考える

「共感」を持つ読者もいれば、逆に「反感」を抱く場合もあるだろう。どちらもコントロール出来ない素直な感情だ。しかし、その先にある行動がリアルとネット社会では、少々違っているようである。現実社会では面と向かって本音で伝えられないことも、ネットの匿名性が故に攻撃的な言葉を武器にした意見を発する場合がある。そこでは、心の奥底に埋もれている激しい感情がマグマのように一気に溢れ出る。もしかしたら、ネット社会にこそ人々の本音が吐き出されているのかもしれない。

ドラマでは「ネットは現実じゃないの?」という台詞があった。非常に考えさせられる一言だ。
ネットもリアルもどちらも人が創り出した世界であり、その境目は意外と曖昧だ。日常生活で押し殺しているもう一人の自分が出現していることに気づいたとき、ネットの先にいる相手の顔を想像してもらいたい。

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