<恋愛ドラマが見たい!>「東京ラブストーリー」をSNS時代にリメイクしたらどうなる?(前編)

テレビ

黒田麻衣子[徳島テレビ祭スタッフ]× 岩崎未都里[ブロガー]

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メディアゴン執筆陣の中でも、1、2のテレビドラマ好きである黒田麻衣子さんと岩崎未都里さん。30代半ば〜アラフォー世代という「妙齢」な2人が、見たいドラマとは……? 妙齢だからこその魂の叫びを対談形式で御届けします。(メディアゴン編集部)
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黒田麻衣子(以下、黒田):最近、恋愛ドラマって、ホントに少なくなりましたよね-。医療モノと事件モノばっかりで飽きる。
岩崎未都里(以下、岩崎):ドラマのいいところは、3ヵ月いちばん密着しますよね、人の生活に。映画は2時間で終わるから。
黒田:でもね、そう考えると、やっぱ恋愛ドラマを最近みんなが見ないのは、3ヵ月後の結末まで待てないというか・・・。
岩崎:え、待てないんだ?
黒田:「どうせ、最後、この二人がくっつくんでしょー」みたいな。「で、真ん中はドロドロでしょー?」みたいな。パターンがなんとなく見えてしまう気持ちがあって、「間の2話3話飛ばしてもいいかー」って思っちゃうんじゃないかな。「最終回だけ見ればいいかー」って。「最終回どうなったの、結局あの人とつきあったんでしょ?」みたいな会話が、友達同士で交わされたり。そうすると、もう、ドラマを観る動機が、「(役者の)誰それさんが好きだから、誰それクンのカッコイイ、きゅんきゅんセリフを聞くために見てる」になっちゃう。ドラマのストーリーそのものじゃなくて、誰それちゃんがカワイイからとか、誰それクンがカッコイイからとか。それしか、もう、ないんじゃない?恋愛ドラマを見る理由は。いい加減、見尽くしてきたから。
岩崎:ま、でも、そもそも恋愛ドラマっていうのは、ストーリーなんか、あんま変わんないだろうね。ドラマって、ほとんどの恋愛が三角関係であって、だから、今の『きょうは会社休みます。』(日本テレビ)だって、そういう形になってるわけだしさー。そういうと、やっぱその、キャラクターっていうかさ、主人公の男の子がキャラ立ちしているものが、見られるっていう。
黒田:大昔でいうと、『東京ラブストーリー』(1991・フジテレビ)の赤名リカ(鈴木保奈美)に右往左往してる「カンチ(織田裕二)」、みたいな?
岩崎:あれは、あの世代の人には「ホントにたまらないっ」て思うドラマなんですってね、ビックリしましたけど。私たちにとってはね、スマホがあるから。いやもう、自分たちが恋愛するときには、ケータイがすでにあったんで、アレ(『東京ラブストーリー』)を見てもなかなかグッとこない。「連絡ぐらいしようよ、カンチ」って思っちゃうんですよねー。あの「いかないで(サトミ)」のシーンなんかね、「原作から脚本におこした人、凄いねっ」ていうくらい、(『東京ラブストーリー』世代の人は)セリフ全部覚えてた。そんなにインパクトあったんですね。どうしても私たちが見てしまうのは、文化の違いって言うか時代の違い?そっちに目がいっちゃって。
黒田:それは友達とも話してて、「最近恋愛ドラマないよねー」って言ってて気づいたんだけど、昔のドラマの肝は「すれ違い」だったんだけど、今はケータイがあるから、物理的にすれ違わないんだよね。待ち合わせをして、会えないこともないし、連絡がついちゃうから。だから、恋愛ドラマの王道ストーリー展開が使えない。まあ、メールとかラインとかでもすれ違いはあるんだけど、映像にしにくいだろうし、ね。
岩崎:ラインとかですれ違うって、どういうことを指してるの? 電池切れとか? 電池切れたら、しょうがないよね。
黒田:あとは、ほら、こうやって喋ってるときに、鞄の中でブーブー鳴ってるとか?
岩崎:鳴ってるとかね。そういうすれ違いは、実際はあるしね。
黒田:でも、画にはなりにくいよね。あと、出会いのシーンとかも、昔の恋愛ドラマって、いろいろ工夫凝らしてたじゃない? 「そんな偶然あるかーっ」ってツッコミたくなるような。
岩崎:ありましたねー。あれ、現実、そんな、ないですよねー。しかも、初対面がそんな悪印象の人を好きになるか?とかね。
黒田:ツッコミどころは満載だったよね。でもさ、ツッコミどころは満載だったけど、それでもストーリーとしては、成立してたんだよ、きっと。今はさ、恋愛でもなんでも、初対面からの距離感の近くなる早さが、スゴイ。SNSがあるから、ネットがあるから、互いにお互いのパーソナルな面を、顔を合わせなくても知ることができる。出会えるんですよ。
岩崎:ああ、そっかー。そういうことか。
黒田:SNSで出会ったりしたら、もう、先に、コミュニケーションがあった後で会ってるから、なんかもう、ガチ初対面じゃないじゃない? 会った瞬間に。
岩崎:あ、でも、そうなると、逆にマイナスのことはそんなにないんじゃない?
黒田:いや、そうなると、それを映像化するのが難しいわけですよね?
岩崎:ええ?そうなんです?
黒田:ガチ初対面になるまでの時間帯をね。たとえば、Facebookのさあ、画面を映したってさあ、しょうがないっていうね。
岩崎:ああ、そっか。それは、たしかに。あ、でも、「こういう人なんだなー、あ、こういう会話もできちゃうんだーっ」ていうのもありますよねー。だから、ギャップが、逆に、会ったときに、「アレっ?良い人?」ていう人も居ますよ。「あれ、なんか、ぜんぜん、イメージ違う~」って。文章だと、コワめになりません?皆さん。
黒田:ああ、そうね。それはあるね。話す前に文章を読んでるからだろうね。あと、Facebookとかがあるから、SNSがあるから、別れた人とかで、もう一生会わないだろうな、と思ってた人と。
岩崎:あー、あったー! 私もあった!
黒田:なんか、もう一回っていうか、再会できてしまうっていうか。ありますよね?
岩崎:再会まではいかないけど、ちゃんと頑張ってるんだなって、遠くから見て、そのままスルーしますけど、頑張ってね~って。たぶんね、私らぐらいの年齢が、いちばんその、FacebookやSNS恋愛っていうかさ、その、昔の彼氏と再会するのに、適切な年齢なんだろうね。(後編につづく)
 
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