<特養ホームは全国52万人待機時代>報じられなかった「介護見直し案」に注目!尖閣より介護が危ない


山口道宏[ジャーナリスト/星槎大学准教授]

 

2014年5月15日、巧妙な国会対策にまたしてもやられた。というのも国政が「集団的自衛権」に一色のとき、「介護見直し案」(地域医療・介護総合確保法案)が可決されたのである(衆院)。

しかし問題だらけの同法案の内容も強行採決もメディアはほとんど報じていない。内容面では軽度者の斬りすて、その実行は国から市町村に、と丸投げ宣言したからたまらない。

いうまでもなくひとはいきなり重度になるわけではない。国は介護保険料については健康保険料と一緒にとりはぐれることはないが、いざ国民がサービスを使おうとすれば、あれやこれやの制限付き。「保険あってサービスなし」(故・一番ケ瀬康子)が現実だ。

いまですら特養ホームは全国52万人が待機している。「うちにいたい」と「うちにいるしかない」は大違いで、無理な「在宅主義」を強いたら、家族が壊れる。

「近年国はなんでも自治体へ丸投げだからお金のあるところとないところでサービス格差が起きるでしょう」(市役所福祉担当)。

人のいのちの「だれにも等しく」とは、「国」がすべきことを意味する。メディアは当事者や家族、そして自治体の声を拾っていない。いま尖閣より介護が危ない。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長