<難しすぎる!クリア不可能?>現役ゲームクリエイターが本気で「リアル脱出ゲーム」をやってみた

八坂亮[ゲームクリエイター]
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「リアル脱出ゲーム」をご存知だろうか? もちろん、テレビゲームやパソコンゲームではない。
これは「部屋」に閉じ込められた数人が、力を合わせて数々の謎を解いて部屋からの脱出を目指す、アトラクション型のゲームイベントである。
世界観やセットがしっかり作られているものが多く、単なる迷路アトラクションを超えて、ゲームの世界に入り込んでいる感覚になれるのも面白い点だ。最近では有名ゲームやマンガとのコラボレーションも多く、それらのファンにとっても、「大好きな作品の世界で遊べる」注目のイベントとなっている。
リアル脱出ゲームに挑戦した事がある方はにはご理解頂けるかと思うが、実はこのゲームは難しい。筆者もここ数か月かなりの回数を挑戦しているが一度たりともクリアできていない。
ゲーム開発に携わる人間がそんな体たらくで良いのだろうか!? という事で、「リアル脱出ゲーム」のクリアを目指して真剣に対策を講じ、実際に挑戦をしてみた。今回はその「本気の対策」と結果について書いてみたい。
◼︎チームを作る
ほとんどのリアル脱出ゲームは、複数人が力を合わせて謎を解いていくチームプレイ型のゲームである。
複数人の力を結集しないとうまくいかず、一人だけ飛び抜けて「脱出センス」がある人間がいたとしてもクリアは難しいというあたりがポイントだ。そこで筆者は、まずはリアル脱出ゲームに挑戦するチームを作った。もちろん、その場で出あった人たちと即興のチームを作る事も醍醐味の一つだと思うが、本気でクリアを目指すなら固定したメンバーで成熟度を高める方が、確実性が増すのではないかと考えたからだ。
◼︎役割分担を決める
あらかじめチームを作る最大のメリットは、事前に役割分担ができるところである。
リアル脱出ゲームでは大量の謎を解く事が求められる。もちろん、一つの問題に全員で立ち向かう事は時間ロスなので、チームのメンバーで分担して同時並行的に問題を解くこととなる。この時、あらかじめチームを作り、人材に適した役割分担を決めておけば、各員が得意とする問題の傾向を共有しておくことができ、問題の分担もスムーズに進むはずだ。それぞれの問題を得意とする人に割り当てて挑戦できるので、謎解きにかかる時間の短縮も狙えるという寸法だ。
しかし、最初は問題を分担していても、どこかで壁に当たり、全員で一つの答えを探す時がやってくる。そんな時のために「まとめ役」も重要である。
リアル脱出ゲームでは、過去に解いた問題の答えを使って新たな答えを導くパターンや、一部の人間にしか情報が入らないような瞬間が存在する。前述のように分担して問題を解いていると、他の人が解いている問題の事の把握は難しく、情報も入ってこない。そんな事態を突破するには「まとめ役」が不可欠となる。この「まとめ役」が今まで解いた問題や発見した情報を集約するという役割を担うわけだ。
「まとめ役」が、適時メンバーに情報を報告し、みんなが把握している情報を最新の状態に保つようにすれば、壁にぶつかった時のパニックを抑えつつ素早く問題を解ける可能性が高まるはずだ。
◼︎チームの経験値を高める
チーム内での役割をハッキリさせたら、あとは経験あるのみ。このあたりはスポーツにも似ている。しかし、リアル脱出ゲームの経験値を高めるには、リアル脱出ゲームに挑戦するしかない。そこで筆者は二つの事を行った。一つはとにかく無差別にリアル脱出ゲームの挑戦すること。そして、もう一つは過去問に挑戦するということだ。過去問といっても、既に終了しているアトラクションであるため、実際に経験はできない。しかし、便利なもので、過去のリアル脱出ゲームは、通販や書店で簡単に購入できるので気になったのなら探してみて欲しい。
もちろん、経験値を積むといっても、闇雲に挑戦しても意味がない。筆者は、事前に決めた役割に沿って模擬試験のような感覚でゲームに参加した。地力を高めつつ、自分たちの作戦が通用するかどうかを図れる絶好の機会だからだ。
ひたすら繰り返す中で、作戦の精度も高まるし、チームの連携も深まる。そして何より自信も生まれる。こうして、万全の体制を整えつつ目標としていた公演の当日を迎えるわけだ。
◼︎本番に備える
目標としてきたリアル脱出ゲームの開催日となったら、公式ページに掲載されている練習問題を繰り返し見ておく事が有効だ。本番で出題される問題はもちろん別の問題だが、似通った問題は確実に出てくるので本番の傾向を知る事ができるし、今まで練ってきた作戦と照らし合わせ役割分担の再確認なども可能だ。
実際、筆者は隙があれば、練習問題を繰り返して解法が空で言えるレベルまで叩き込んだ。
◼︎そして結果は・・・
今回、筆者が目標に設定していたリアル脱出ゲームは「暗殺教室からの脱出」。これは、週刊少年ジャンプで連載している人気漫画「暗殺教室」(松井優征)とコラボレーションしたイベントだ。
さすがに内容について触れる事はできないので結果だけ述べるが、結果から行ってしまえば「失敗!」だった。つまり、残念ながらクリアはできなかったわけだ。
もちろん「失敗」とはいえ、対策事態は有効に働いており、十分「惜しい」と言える手ごたえを感じて終える事ができた。役割分担等の重要性は今回も感じたし、やってきた対策事態はそんなに間違っていなかったのではないかと思う。ただ、クリアできなかったという事実である。
一応、プロのゲームクリエイターを職業としている筆者が練りに練って挑んだはずだったので、リアル脱出ゲームのクリアには、まだ何かが足りないということなのだろう。
次こそはクリアできるようまた準備を進めていこうと思う。まだ脱出ゲームに挑戦したことのない方も、是非挑戦してみて欲しい。
 
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