<「やりたいこと」と「ニーズ」は異なる>コンサルタントが考える起業のポイントとは?


尾藤克之[経営コンサルタント]

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先日、女子高生起業家の椎木里佳さんが紹介されている番組を見た。高校生で社長。中学3年生の時に、女子中高生をターゲットにした商品開発をおこなう株式会社AMFを設立。

目ざましアプリ「JKめざまし」が話題になり、現在は「Tokyo Teens TV」の企画などを手掛けてメディアへの露出が加速度的に増えている。

いまは資本が用意できなくても起業のチャンスはある。高校生の起業は稀有だが、若者のなかにも「独立して勝負をかけよう」と考えている人は少なくないだろう。今後、将来が見え難い経済環境のなかで起業という選択肢は増えてくるのだろうか。

今回は事業家でありコンサルタントである中山マコト氏(以下、中山)に、起業のポイントについて聞いてみた。

  • お金や税金に強くなること

—起業には予想外の出費がかかる。特に陥りがちなのが税務の無知だという。次に仕事欲しさのあまり値引き要請を請けてしまうことが危険である。これはどのようなことなのだろうか。

中山「会社員は毎月の給料から税金が天引きされます。ところが起業をすると、税務関係のやり繰りは自分でやらなければいけません。起業を機に税務に詳しくなってください。定期的な財務チェックをすることで、会社にまつわるお金の仕組みについて詳しくなるでしょう。

また起業まもない頃は、信頼がありませんから顧客は価格に難癖をつけてきます。値引き要請にはうまく対峙しなくてはいけません。難癖をつける顧客は誰にでも同じことをするので、基本的には顧客にする必要性はありません。

仕事欲しさのあまり値引き要請を請けてしまうと結果的にストレス過多になります。値引き要請には応じる必要などなく明確にNOを突きつけてください。

経験上、一度価格を下げた顧客の仕事の価格を正規に戻すことは困難です。また値下げ要求をする顧客は他の理不尽な要求を重ねる危険性があります。例えば、接待の要求、支払いサイトの延長など。今度仕事を出すと期待させて、無理強いをするケースが多いのです。」

●「やりたいこと」と「ニーズ」は異なる

—起業をすればやりたい仕事ができると考えている人は要注意である。それは、やりたいことにニーズがある保証が無いからである。まず、やりたいことのニーズを調べなくてはいけない。

中山「好きなことをやりたい人は、自分の夢が一番だと思い込んでいます。これは非常に危険な考え方です。むしろ世間を見渡せば、好きなことで成功している人は僅かなことに気がつくでしょう。

まず、やりたいことにニーズがあるのか精査しなくてはいけません。次に、やりたいことが明確化していると、顧客のためにではなく、自分の満足や欲求を満たす意識が高まってきます。このような時には、立ち止まって、顧客のための仕事であることを再確認しなくてはいけません。

そして時代の潮流はなにか?いま時代に求められているものは何か?を見極めなくてはいけません。

求めるものが見極められたら、提供するサービスを徹底的に尖らせて差別化するのです。差別化の必要性は誰もが理解していますがなかなか実行は難しいもの。なぜなら、尖らせて差別化することにより「顧客が逃げてしまうのではないか」という不安に駆られるからです。

私たちは、全ての顧客相手にサービスが提供できるわけではありません。むしろ尖らせて差別化することで顧客をセグメントしまったほうがビジネスには有利なはずです。」

—ありがとうございました。

[参考]中山マコト「自力で自立するマイスタイル起業」(2015・パブラボ)

 

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尾藤克之(びとう・かつゆき)経営コンサルタント。東京都出身。衆議院議員秘書、大手コンサルティングファーム、IT系上場企業等の複数の事業会社の役員を経て現職。障がい者と健常者の共同生活によりボランティアスピリットを培うための社会貢献事業(アスカ王国)をライフワークとしている。埼玉大学大学院博士課程前期修了(経営学修士、経済学修士)