<ドラマ「Dr.倫太郎」が第3回目にして停滞?>物語が前に進まない連続ドラマは見るのが辛い


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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「Dr.倫太郎」(日本テレビ系)の3回目を見た。堺雅人が天才精神分析家という役を演じているからである。

しかし、3回目にしてドラマは止まってしまった。連続ドラマなのにストーリーが前へ進まない。前へ前へ、話が進まないドラマは見るのが辛いと感じるのは筆者だけではあるまい。

しかも、ドラマの構造は毎回同じだ。新橋芸者の夢乃(蒼井優)と母(高畑淳子)とのあいだになにやら確執があるが、それを知らずに、倫太郎は、次第に夢乃に惹かれて行く。

同じ病院の女性外科医(吉瀬美智子)は、幼なじみだが、これには「そのままでは終わらないだろう」と言う伏線が張られる。倫太郎による官房長官の精神分析も続いている。これが話を転がすキーになるのかもしれない。

ドラマは、こういった縦筋の話がどうなっていくかの謎を振りながら、毎回、堺雅人の見せ場とするべく心を病んだクライエントが様々な疾患を持って現れる。第3回目の今回の疾病は「レム睡眠行動障害」である。

「レム睡眠行動障害」(REM sleep behavior disorder、RBD)は、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。レム睡眠時(この時期の夢を見る)には、脳は覚醒時に近い活動をしているが、全身の骨格筋のほうは緊張が低下している。

そのため、通常であれば夢で見たことを行動に起こすことはないが、レム睡眠行動障害は何らかの原因で筋緊張の抑制が障害されるために夢で見たことをそのまま行動に移してしまう、それが人に暴力をふるう夢だったとしたら……。

「レム睡眠行動障害」は、脳の疾患だと推測されるものの、原因不明であり、何らかの薬を処方する以外の方法を現在の精神科医は持ち合わせていないだろう。となると、「レム睡眠行動障害」である夫をかばって、それを口に出来ない妻(宝塚出身の宮本真希)の心を解きほぐすところが、精神分析家の倫太郎の見せ場だが、それが少しも書き込まれていない。

また、その妻の演技が大声で叫ぶだけの素人芝居なので、リアルさが伝わらない。これでは、倫太郎が天才精神分析家であるということが、わからない。

それ以上に、話が前に進まない連続ドラマを見るのは辛い。放送3回目ともなれば、そろそろ伏線は回収して欲しい時期なのである。

 

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