<どれも同じ?>都知事選「選挙公報」のキャッチコピーだけ投票先を選べるか

政治経済

保科省吾[コラムニスト]
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都内の家庭に東京都知事選の選挙公報が配られた。
この選挙公報を「候補者の名前を見ず」に、公報に載せられたキャッチコピーだけで人を選ぶことは出来るのだろうか。キャッチコピーはその人が最も訴えたいことのはずである。
そこでまず、以下に名前を伏せ、キャッチコピーだけを羅列してみるので、ご一読いただきたい。(尚、キャッチコピーに当たる文章が記されていない候補は、公報の1行目を記すことでこれに代えた)

  • NHKから国民を守る党
  • 都知事報酬ゼロで働きます
  • あなたに都政を取り戻す。
  • すべての都民にあたたかさと夢あふれる東京に。
  • 都政を国民の手に取り戻す!
  • 職業政治屋NO!!都政をボランティアで!!
  • 2020年世界はTOKYOに
  • 皇歴2676年という世界最古の男系皇統を守ります。
  • 美しく品格ある「プラチナ首都」の創造
  • 都政に、こころを。
  • 横田基地の返還を実現し、西東京を舞台に国際最高会議場群に
  • 森喜朗元総理東京五輪・パラリンピック組織委会長への尋問の筋これあり
  • 声なき声を、大きな声で叫びたい
  • 都民を健康に、都経済を健全に!
  • 自己責任に基づいた真の自由とあたたかい東京
  • 共に成長 東京から 日本そして世界のために
  • 都民が決める。都民と進める。
  • 現在の東京は様々な問題抱えている。
  • 東京を、必ず変える
  • あなたと一緒に、TOKYOパワー全開!

以上である。
もし、自分が都民であり、有権者であるとして、この情報だけで投票先を判断しなければならないとしたら、誰(どの政策)に投票するか決めることは出来るだろうか。もちろん、無理やりであればできるかもしれないが、投票したものの、その人物が発覚した段階で、「本当は嫌いな候補者」「思想の異なる党派の候補者」だった・・・という危険性は否めないだろう。
【参考】<三宅洋平氏落選>実態なき支持層が産み出した「選挙フェス」という都市伝説
これでだけでは一部を除き、どれがどの候補のものか分からない。強いて「わかること」はといえば、プロのコピーライターを使い、お金を掛けて作文した候補者がいる、ということぐらいだ。
一読して感じる、なんとまぁ、同じような主張の人が多いこと。口当たりの良い抽象的な言葉のオンパレードだ。中にはかなり具体的な記述をしている候補者もいるが、思想の是非はさておき「絶対選びたくないな・・・」と感じさせてしまうのは皮肉な話だ。
やはり、選挙で投票するということは、候補者のキャッヒコピーや、表面上の見せかけばかりに騙されてはいけない、ということだ。各候補の来し方、行く末まで子細に検討することが必要であり、それこそが有権者の責任である、ということなのだろう。
 
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