「ドラゴンボール超」は視聴率絶不調フジテレビの救世主になれるか?

テレビ

岩崎未都里[学芸員・美術教諭]
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4月の番組再編以降、各テレビ局の視聴率の行方が見えてきました。中でも「平均視聴率5%台…フジテレビ危険水域」の記事は目に付きます。
本当にそうなのか? と気になった筆者は、ビデオリサーチ社の「週間高世帯視聴率番組10」を調査してみました。すると、あることに気がつきました。確かにフジテレビは、ドラマやバラエティでは視聴率ベスト10から脱落していましたが、アニメではベスト10のうち4本までがフジテレビ系アニメだったのです。

1位:サザエさん(フジテレビ・日曜)
3位:ちびまる子ちゃん(フジテレビ・日曜)
5位:ワンピース(フジテレビ・日曜)
8位:ドラゴンボール改(フジテレビ・日曜)
(週間高世帯視聴率番組10ビデオリサーチ社’15/04/26(日)【関東地区】)

日曜日のアニメ番組はフジテレビの一人勝ちかもしれません。「フジテレビ」と、いえば、バラエティやトレンディードラマのイメージがありますが、実はアニメ番組に強いTV局だったわけです。
日曜日の夕方は国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』、最長寿番組の『サザエさん』と続いています。かつて日曜夜19時30分といえば、あの『世界名作劇場』が放映されていました。『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』『母をたずねて三千里』『あらいぐまラスカル』・・・といった名作アニメが放映され、親子二代で楽しんでいたものです。
そして7月に、この日曜アニメ番組に超強力な新番組が降臨します。
『ドラゴンボール超(スーパー)』です。
テレビシリーズ初、鳥山 明氏のオリジナル原案による「ドラゴンボール」で18年ぶりに放送される新シリーズ。原作の「ドラゴンボール」は週刊少年ジャンプ(集英社)にて1984年より連載を開始した国民的漫画で、単行本は全世界30か国以上で2億3000万部を超える発行部数を記録するなど世界中で愛されています。
今回の『ドラゴンボール超』は、原作・ストーリーそしてキャラクター原案を鳥山明自身が担当。完全に漫画のドラゴンボールの続編と考えてもよいかもしれません。
気になるのは、鳥山さんが関わることで、アニメのクオリティをどこまで高めることができるか、でしょう。当然、最初から世界展開は狙っているはずです。
ある程度の数字(視聴率)は十分に想定できる『ドラゴンボール超』ですが、それ以上に筆者が注目しているのは、親子二代、三代で楽しめる日曜朝の典型的な過ごし方を作ることができるか? ということです。要注目です。
 
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