<続編がつまらない映画の見本>「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」は残念な駄作である

映画・舞台・音楽

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
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映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」を観た。公開翌日、渋谷東宝シネマにて日曜日の10時15分からの回。観客の入りは9割であった。
こういう映画に求めるのは「映像の迫力」である。本作は2012年の映画「アベンジャーズ」の続編であるが、初回作はそれなりに面白かった。金のかかった昭和仮面ライダーという趣だったからである。
ところが続編をつくろうとなると、難しくなるものだ。
なぜなら、「ストーリーをもっとくみ上げたほうがいいのではないか」とか「テーマ性、メッセージ性をもっと打ち出したらどうだろうか」・・・などと言う人が現れて、時としてそれが勝ってしまうと、この手の映画はつまらなくなる。そういったつまらない映画の見本のような作品であるように思う。
「いいんだよ。今まで通りで。今まで通りでダメなら、続編なんかやめればいいんだよ」と言ってくれる勢力は、制作現場では、そんなに発言力がないのだろう。日本の「ゴジラ」もその罠にはまっていて、回を追うごとにつまらなくなっていったことを思い出す。
この手の映画には、家族はあったかいものだとか、孤独なヒーロー同士の恋愛とか、そういうストーリーはいらないのである。
 
 
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