<汗は不快?>ワキ汗・有働アナのNHK退職で考える制汗市場

社会・メディア

NHKの有働由美子アナウンサーが、2018年3月31日付で同局を退職していたことが明らかになった。
有働由美子アナウンサーといえば、番組中での「ワキ汗」が話題となったことは記憶に新しい。2017年5月31日放送の『あさイチ』に出演し、

「男性がそう(ワキ汗を悪いと)思っているんじゃないかな、という思い込みが女性を気にさせている。ワキ汗もう変えようよ。いいことにしようよ。頑張って汗が出るんだから。ワキ汗かく人、いい人ばかりだよ」

と持論を展開し、女性のワキ汗に対する「不愉快」意見に反論した。

しかしながら、世の中の多くの女性は汗には敏感だ。「汚ならしい」と思われることへの不安というよりも、ワキ汗を含め、汗への気遣いが身だしなみの一つとなっているのが実情だろう。
実際、ライオン社によれば、「ワキ汗対策カテゴリー」を含む制汗剤市場は、2016年1~3月で前年同期比130%(2億9000万円)と大きく伸びている。市場のトレンドからもその兆候ははっきりとみてとれる。有働アナの想いは理解できるが、一般消費者の動向とは必ずしも一致していないのが現実だ。
もちろん、有働アナのワキ汗が過剰に注目されたり話題になること自体、それが多くの消費者の関心事であり、いかに「汗」が不愉快なマイナスイメージをもった現象であるかを示しているのかもしれない。スポーツの汗は美しいのに、仕事を頑張る人のワキ汗が不愉快・・・というのはなんとも理不尽な話であるが。
最近では、ワキ汗もさることながら、顔汗用や足汗用など、様々な部位の制汗剤が販売され、汗に対する意識も高くなっている。コンビニの化粧品コーナーには男女ともに制汗グッズが大きくスペースをとっている。
制汗剤やスキンケア商品を幅広く展開する株式会社ハーバーリンクスジャパン(東京)の牧野一郎社長は制汗市場について次のように語る。

「芸能人のワキ汗は話題になりますが、消費者ニーズはやはり顔汗への対策です。気になる汗の8割超が顔汗という調査結果もあるぐらいです。一方で、顔の制汗剤に対する要望はワキなど比べ、非常に厳しいです。単に有効成分を並べたり、芸能人などを広告に使うだけで信用されるような商品ではありません。何より消費者のライフスタイルと合致していなければなりません。例えば、私たちが販売している顔用制汗剤『サラフェプラス』では、朝洗顔後に顔に塗るだけで、毛穴を引き締め顔汗の量を抑えることができ、メイクの下地としても使用できるため、汗で崩れないベースメイクをつくることができます。朝の忙しい時間に、いつもの化粧をする工程の中に組み込むことで、簡単に顔汗ケアが可能としています。このように、ライフスタイルも組み込んで商品を開発することが最近では重要になっていますね。」

有働アナに限らず、妙に生々しい(?)有名人のワキ汗はネットを中心にやたらと話題になるが、やはり一般的な市場やニーズとしては、やはり顔汗が一番の関心事。
有働アナのNHK退職のニュースで、ワキ汗が再び注目を集めているが、普通の人は、「顔汗」に一番注目している!という現実を忘れずに、これから迎える汗ばむシーズンに備えたいものだ。
 
【あわせて読みたい】