<コロナ騒動でうやむや?>フジ「超逆境クイズバトル!!99人の壁」でやらせ

テレビ

メディアゴン編集部

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コロナ騒ぎで「それどころではない」のかもしれないが、埋もれそうになっている問題が起きた。フジテレビであってはならない「やらせ」が起こった。

『超逆境クイズバトル!!99人の壁』でのことである。

番組は一般公募の参加者100人から選ばれた 「チャレンジャー」 の1人が、残り99人の解答者相手に全問正解を目指す早押しクイズ対決。その根幹で、番組の企画意図を台無しにする、視聴者裏切りの捏造が行われたのである。

参加者が100人に満たなかったため、人員不足が生じた際に解答権のないエキストラ(サクラ)を参加させていた。しかも、スポニチによると18年8月15日の特番と19年10月26日放送分まで、26回の長きにわたって「サクラ」が起用され続けたという。企画は「99人の壁」というのが新しく、そこが見所である。話題になっていたので見たことがある人も多いだろう。その見所のところで、嘘をついたのでは、何をか況んや。

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しかも、バレ方がシャレっぽくない。今年2月中旬、サクラをやらされた1人が放送倫理・番組向上機構(BPO)に報告して発覚した。この人物は良心の呵責に耐えられなかったのか。少なくともこの人物を苦しめたのだから罪が重い。

さらに、フジテレビの公式HPに掲載された謝罪文が、何を言うのかと反感を買うようなものだ。

(以下、フジテレビ公式HPより引用)

お詫び『超逆境クイズバトル!!99人の壁』に関して、一部不適切な手法を用いて番組を制作していたことが判明しましたのでご報告いたします。本番組は1人のチャレンジャーが、99人の壁の解答者に阻まれながら全問正解を目指すクイズ番組です。100人の出場者を集めて収録すべきところ、人数が不足した場合、解答権のないエキストラを番組に参加させていたことがわかりました。本番組が標榜している「1人対99人」というコンセプトを逸脱していたことになります。現在は、企画内容や参加者の選出方法を見直して適切な手法で番組を制作しておりますが、「今後、不測の事態で人数不足が生じた場合でも、その旨を明確にした上で放送」することにいたしました。視聴者の皆様の信頼を損なう形となっていたことを真摯に反省し、番組をご覧の皆様およびすべての出演者、関係各位の方々に心からお詫び申し上げます。

(以上、フジテレビ公式HPより引用)

「今後、不測の事態で人数不足が生じた場合でも、その旨を明確にした上で放送」とは、何事か。問題の本質を分かっていない。もしも、私がチーフADなら、ディレクターにそんなことは必要が無いと言われても、大げんかして、100人を超える出演者を集めておく。不慮の事故もあるし、今の時期なら何があるか分からない。

さらに対応で最もまずいのはMCである俳優の佐藤二朗にツイートで謝罪させたことである。

佐藤は「残念だ。99人の壁と謳っているのに99人の解答者を揃え切れない回があったとの事。現在は改善されてると聞くが、お客様(視聴者の皆様)には心からお詫び申し上げる」と謝罪。「スタッフと話し合い、褌を締め直した彼らと今後も作品を創ると決めた。真剣勝負。これこそが、この作品の誠意でなければならない」と訴えている。

フジテレビはいい意味で演者を大切にすることにおいては東京局で、最も定評のある局であった。佐藤に責任がないとは言わないが、捏造の元凶は、ディレクターやプロデユーサーである。謝るのは彼らだ。部下を画面に晒すのは忍びないというよき上司が居れば、謝るのは、編成局長か、制作局長、ことの重大性を考えれば社長である。

フジテレビは番組を続けるとしているようだが、少なくとも、見逃し配信としてFOD(フジテレビ・オンデマンド)にラインナップしている『99人の壁』の過去素材をすべて削除すべきである。これで商売をするのは商道徳にももとる。何しろ、インチキ商品なのだから。それとも「戒め」のためにずっと残しておきますか・・・。

 

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