<最強コスパのワイヤレスイヤホンはどれ?>SONY・Bose・Apple・JLabを徹底比較

デジタル・IT

岡部遼太郎(ITコンサルタント)

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世界のワイヤレスイヤホン市場の拡大が止まらない。マーケット調査会社の富士キメラ総研の調べによると、2025年には世界での市場規模は8.5兆円にまで至ると予想されており、高額なものから、リーズナブルなものまでさまざまな商品が展開している。

ほんの少し前までは、一般的なワイヤレスイヤホンといえば、Apple社「AirPods」一択だったような気がする。イヤホンは全部白!長細い!のような印象だったが、最近ではさまざまな色、形状を街中で目にする。ワイヤレスイヤホンがApple社「AirPods」一択でないことに気付かされる。

さて、筆者はワイヤレスイヤホンよりも、従来の有線イヤホンの方を好んでいる。「有線がわずらわしい」と思うことは多いが、充電が必要であったり、Bluetoothで接続する必要があったりと、電源不要で物理的に差し込むだけで音が聞こえる有線の方が安心だと感じていたためだ。しかし、ジムや通勤車内などでは、やはり有線は不便とは思う。有線の届く物理的な範囲にスマホやパソコンをおいておかねばならないためだ。

さらに致命的なことが、イヤホンジャックの不統一である。普通のイヤホンプラグ(1/4インチ)だけでなく、USB Type-C、ライトニングケーブル、ミニプラグ・・・などなど、あまりにも種類が多い。有線ユーザーの筆者は常に複数の変換アダプタを持ち歩いているぐらいである。

というわけで、筆者もいよいよワイヤレスイヤホンに本格移行する覚悟を決めたわけだが、せっかくなのだから「より良いものを」と考えた。なぜなら、以前300円ショップでためしに格安のワイヤレスイヤホンを購入したことがあるが、最初は問題なくつながっていたものの、すぐにBluetoothの認識(?)に不具合が発生し、つながったり、つながらなくなったり、片耳からしか聞こえなくなったり・・・と、格安ワイヤレスの実用性に疑問を持ったためである。

そこで、現在話題になっているワイヤレスの比較検討をし、筆者のようなユーザーにとって最適なワイヤレスイヤホンを選んでみたい。ちなみに、言うまでもないことだが、今回比較検証する商品はいずれも売れ線のもので、どれも甲乙つけ難いほどに優良だ。

あくまでも筆者のニーズと主観であることを忘れずに。

今回比較検証するのは、2023年に専門店で売れている価格.com上位ランキング商品の3種(Bose社QuietComfort Ultra Earbuds・SONY社WF-1000XM5・Apple社AirPods Pro 第2世代)と、本場アメリカで売れゆき好調なブランド1種(JLab社JBuds Mini)の合計4種である。なお、価格は全て価格.comにて、最低価格を参照した。

筆者のような音響素人の一般ユーザーが気にする点は、以下4つであろうと考えている。

価格帯:高いか、安いか
再生時間:連続での最大再生時間
携行性(サイズ):持ち運びに不便はないか
携行性(重量):持ち運びに不便はないか

もちろん、音質や重低音クオリティなど、専門的なこだわりも重要であることは十分に理解しているが、正直、筆者のような一般的な人間にとっては「悪くない。なかなか良い」というものであれば、専門的音響の良し悪しやクオリティは認知できない。売れている商品は、どれも素人では判別できないぐらい音質は良いからだ。

さっそく価格から 見てみよう。

<価格帯>
JLab社「JBuds Mini」¥8,470
Bose社「QuietComfort Ultra Earbuds」¥27,000
SONY社「WF-1000XM5」¥32,180
Apple社「AirPods Pro 第2世代」¥35,478

やはり人気機種は高品質であるだけでなく、素人感覚的には安くない。日本でも圧倒的にブランド力のあるメーカーの商品は2万円台後半から3万円以上と、もはや「単なるイヤホン」とは言い難い価格帯になっている。そんな中で一際目を引くのが、「JBuds Mini」の8,470円である。これは圧倒的に安い。すべてのイヤホンを長時間聴き比べたが、少なくとも、素人である筆者には、なんら音質的な違いはわからなかった。(つまり、全部良い、ということ)

そして、連続再生時間だ。これには大きな差はないように思われるが、AirPods Pro 第2世代だけはいささか少ない印象だ。第3世代はもう少し長いようである。

<連続再生時間>
Bose社「QuietComfort Ultra Earbuds」6時間
SONY社「WF-1000XM5」6時間
JLab社「JBuds Mini」5.5時間
Apple社「AirPods Pro 第2世代」4.5時間

とはいえ、遠距離通勤でもしていない限り、充電できない状態で連続5時間以上も利用するという状況はあまりないような気がするので、前後1時間程度の差はあるが、概ね同程度と言えるだろう。もちろん、電池を全て最後まで使い切ったわけではないので、あくまでも理論値であるが、利用状況によっても変動はするので、実際はそれほど大きな差にはならないように思う。

次に携行性、つまり「大きさ」だ。

イヤホンはキーホルダーなどに吊るしたり、ポケットに入れたりなど、携行性が重要である。イヤホンのケースは、充電器でもあるのである程度の大きさになることはやむを得ない。とはいえ、持っていて違和感があるような大きさであることは御法度なアイテムである。どのブランドも基本的には幅部分で5〜6センチ程度であり、そこからどこまで小型化できるか、という点が注目だ。

<携行性(サイズ)>
JLab社「JBuds Mini」52.8×35×23.9mm
Apple社「AirPods Pro 第2世代」:60.6×45.2×21.7 mm
SONY社「WF-1000XM5」約 64.6 x 40.0 x 26.5 mm
Bose社「QuietComfort Ultra Earbuds」66.3×59.4×26.7mm

まず、QuietComfort Ultra EarbudsとWF-1000XM5は圧倒的に大きい。横幅がそれぞれ6.5センチ程度と、これは流石に大き過ぎる。スマホの横幅ぐらいのサイズ感であり、キーホルダーに吊るしたり、ポケットに軽く放り込めたりできるようなサイズではない。完全にカバンに入れる、というサイズだろう。

AirPods Pro 第2世代は6センチ。キーホルダーケースをよく眼にするので、おそらく、このあたりが、ギリギリ、キーホルダーとして吊るせる限界なのかもしれない。

それに対して、JBuds Miniは5.2 センチと圧倒的に小さい。QuietComfort Ultra Earbudsと比較すると、なんと1.5センチも小さい。高さも半分とはいわないが、それに限りなく近いミニサイズである。つまり、携行性の点では、比較するまでもなく、JBuds Miniがダントツに高いことがわかった。

さて、携帯性といえば、「重さ」も重要だ。重すぎると携行性が悪いだけでなく、落としてしまったり、ストラップ類から落ちてしまったりなどの危険性も高まる。筆者の職場でも、来客者の落とし物の圧倒的1位はワイヤレスイヤホンである。

<携行性(重量)>
JLab社「JBuds Mini」25.1g
SONY社「WF-1000XM5」39g
Apple社「AirPods Pro 第2世代」50.8g
Bose社「QuietComfort Ultra Earbuds」59.8 g

ワイヤレスイヤホンのケースは充電器を兼ね備えているため、必然的に再生時間が長い機種はケースも大きく、重くなる。最重のQuietComfort Ultra Earbudsは、なんと60グラム。この重さは、ヤクルトが一本(65ml)とほぼ同じだ。キーホルダーにつければ、ヤクルトを一本ぶら下げているに等しい。AirPods Pro 第2世代も50.8gとなかなかの重さだ。

ただし、この両機種は、再生時間が6時間と、JBuds Miniよりも0.5時間、AirPods Pro 第2世代よりも1.5時間長い。AirPods Pro 第2世代はさておき、わずか0.5時間のために2倍以上の重量になるのは音響マニアでもない限り受け入れ難い。もちろん、有名ブランドの場合、重いだけの理由はあるのだとは思うが、私たち素人一般ユーザーにとっては無縁なことだ。

さて、以上を踏まえた上で4機種を比較してみると、コストパフォーマンスと携行性という私たち素人一般人が重要視する価値観に基づけば、JLab社「JBuds Mini」が最良であるように思う。もちろん、より高い専門性や嗜好性を踏まえれば、SONYやBoseといった世界に冠たる音響ブランドのイヤホンも魅力的ではあるが、なにぶん金額が高い。少なくとも、高級音響ブランドのイヤホンを使いこなせるほどのリスナー魂を筆者は持ち合わせていない。

根強いAppleユーザーであれば、コスパや機能は度外視でAirPods Proという選択肢もあるだろう。例えば、筆者もそれに含まれる。

とはいえ、増税と物価高でなかなか家計も小遣いも苦しい今日、なかなかイヤホンに高額支出ができるような贅沢はできないのは筆者だけではあるまい。

(編集部註:画像は、JLab社の許可を得て掲載していますので、無断流用・加工等は固く禁じます)

 

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