新作ゲームWiiU「スプラトゥーン」が突きつけるゲーム業界の寛容さ

デジタル・IT

八坂亮[ゲームクリエイター]
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話題のWiiU用ゲームソフト『スプラトゥーン』がついに発売された。筆者ももちろん購入して遊んでいる。プレイヤーの間でも強い盛り上がりを見せており、完全新作のゲームでは久々のヒット作と言えるのではないだろうか。
そんな『スプラトゥーン』について、複数の人から筆者に対して同じ質問を投げかけられたのでこの場を借りて自分の意見をまとめていこうと思う。
◼︎ジャイロセンサーを使ったエイム操作の是非
『スプラトゥーン』未プレイの方からよく聞かれる質問が、

「ジャイロセンサーを使ってエイム操作を行うみたいだけど、やりづらくない?」

というものだ。これは普段ゲームを遊ばない方にとってはチンプンカンプンかと思うので、まずは何を言っているか解説をしようと思う。
「ジャイロセンサー」とは、わかりやすく言えばコントローラーに搭載されている「動作を検知する機能」の事だ。自分の手でコントローラーを上下左右に動かすと、ゲームにも動きが反映される物で、昨今のゲーム機のコントローラーには当たり前にように搭載されている。
続いて、「エイム」とは照準の事を指している。画面の中の敵に銃を撃つシチュエーションにて、どこに向かって銃撃するか照準を合わせる操作を「エイム操作」と呼んでいる。
つまり、先ほどの質問を翻訳すると、

「コントローラーを動かす動作で銃撃する方向を決めるみたいだけど、やりづらくない?」

という事になる。
◼︎これがベストな操作
筆者の結論から言えば『スプラトゥーン』というゲームにおいては、ジャイロセンサーを使ったエイム操作がベストな操作であると感じている。確かに、ジャイロセンサーは微妙な手の震えまで検知してしまうため小さな的を狙うような操作には向いていない。
しかし、『スプラトゥーン』は地面に色を塗る事に主眼が置かれたゲームだ。小さな的を狙撃するようなゲームではなく、ホースであたり一面にインクをまき散らすようなゲームなのだ。
コントローラーを振って大雑把にインクをまき散らすほうが結果的に広々と色を塗る事ができて有利だし、何より直観的だと感じる。
勿論、オプションでジャイロセンサーをOFFにする事も可能だ。プレイヤーの好みの操作で遊べるようにできている為、まずは拒絶する前に遊んでみる事をオススメする。
◼︎ゲーム好きだからこそ寛容な姿勢を
今回、このような疑問を投げかけてきら方々は、本当にゲームが好きな人たちなのだろうと思う。色々なゲーム経験がなければこんな鋭い質問が出てくるはずはない。しかし、新しい物を既存の枠に当てはめて評価しようとする姿勢は正しい事なのだろうか? という思いもよぎる。
今のゲーム業界を支えているのは作り手を含めて「ゲーム好き」な人々だ。ゲーム好きが寛容な姿勢を失ってしまうと、世に出るゲームも似通った物が多くなり、つまらない世界になってしまう。
ゲーム好きだからこそ寛容な姿勢が必要なのではないだろうかと切に思う。
 
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