<「めちゃイケ」は予言できる?>「27時間テレビ」の番宣がこれから毎週入るだろう


高橋維新[弁護士]

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2015年6月13日放送のフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」(以下「めちゃイケ」)について書いてみたい。まず、褒めるところから。

今回メインの企画は、「第2回キレ芸コンテスト」である。これは、中途半端だった第1回と比較すれば、だいぶ良くなっていた。

この手の企画をやる場合、「めちゃイケ」では「コンテスト」という体でドキュメンタリーコントを展開する場合が多い。本気でキレ芸のNO.1を決めるつもりなど、端からないのである。ところが前回は、実力も実績も足りない若手の出場者が主であり、審査員に圧倒されて全くコントができていなかった。ただの、コンテストだった。

今回は、まず出場者を若手から中堅の実力で固めてきた。みな、怒る芝居ができていた。なんなら「キングオブコント」で優勝したはずの「バイきんぐ・小峠英二」が一番ヘタだったくらいである。特に「おかずクラブ・ゆいP」の演技力には瞠目すべきものがあった。

キャスティングを固めれば、あとは台本を念頭に置きながら、現場の流れや空気も読みつつコントをするだけである。

  • キレ芸に来てるのに滑舌が悪くて何もできていない「三四郎・小宮浩信」。
  • キレ芸に来てるのに「カワイイ」と褒められてまんざらでもなさそうな「ゆいP」。
  • 審査員からどんどん追い詰められていく「ダイノジ・大地洋輔」。
  • あくまで芸で破天荒をやっているのに自分の車まで凹まされてしまう「平成ノブシコブシ・吉村崇」。
  • 極めつけは前回優勝者なのに呼ばれもしなかった「ダイアン・津田篤宏」である。

上島竜兵(ダチョウ倶楽部)も、すぐキス芸に行こうとする(そしてあわよくば三田アナとキスしようとする)というコントをやっていた。

トップバッターのバイキング小峠だけ、どういうコントがやりたかったのかよく分からなかったが、初っ端ゆえにただのフリだった可能性もある。

小峠が最初に「普通にキレ芸コンテストに参加するとどうなるか」を見せて、その後の参加者がまともにキレ芸コンテストをできていないというズレを際立たせるのである。

ここで書いたような、「滑舌が悪い奴がオーディションにくる」「女芸人なのにカワイイと褒められて男目線を意識してしまう」などといったシチュエーションは、いずれもコントとしてはよくあるパターンである。これを普通のコントとして作ることもできる。ただこれを真正面からコントとして作らずに、表面上は「キレ芸コンテスト」という体をとっておいて、その中でひっそりとやるのがめちゃイケなのである。これが、ドキュメンタリーコントという奇襲の妙味である。

この調子でできるならもう1回ぐらいは見てもいい。

あとの部分は、いつも通り27時間テレビの宣伝である。今回は岡村扮するホンキーマンがEXILEのHIROに会いに行き、絡んでいた。

EXILEの所属するLDHは、すっかりジャニーズや吉本のような「厄介な巨大事務所」になっている。なんとかして、テレビにタレントをねじ込もうとしてくるので、テレビの側もおもしろさを最優先したキャスティングがしづらくなっている。

2007年の最初のオカザイルの頃は、EXILEも今ほど売れていなかったので、岡村との絡みには新鮮さがあった。ところがその後の2回のオカザイルはもうEXILEが売れた後に放映されたものだったので、利権の匂いしかしなかった。

EXILEが売れていない頃であれば、番組がEXILEを「すごい」と褒めてもまだ真実味があるのだが(実際に真実かどうかは別である)、EXILEが売れたあとにいくら「すごい」と褒められても、タイアップしているからそう言わざるを得ないのだろうと視聴者としては見てしまう。ただただ、白けて真顔になっていく。

EXILEが更に厄介なのは、あのジャニーズよりもかっこつけようとするところである。お笑いの無様さにきちんと向き合おうとしていないのである。

まあそれはそれとして、27時間テレビの番宣はこれから毎週入るのだろうことを、先に予言しておく。

 

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高橋維新(たかはし・いしん)弁護士、コラム二スト。1987年、東京生まれ。2006年、東京大学法学部入学。2010年より「マヒ郎」のペンネームでファミ通町内会へ「ハガキ職人」として投稿を始める。現役ハガキ職人を続けながら、2012年に司法試験合格。2013年、弁護士登録(函館弁護士会)。ファミ通町内会長(第5代)。