「ジュラシック・ワールド」は面白いのか?面白くないのか?それとも…?


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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面白くないのである。

何が「面白くない」のかと言えば、日本公開初日の「ジュラシック・ワールド」がである。

思えば同じスピルバーグ監督の「E.T.」を1982年公開の初日に見て、大感動したが、その10年後ビデオで再び観た37歳の時も「面白くない」と感じた。

今回の「ジュラシック・ワールド」の面白くなさはこの時の感覚に似ている。違うのは、「E.T.」の時は同じ作品を時間差で見たことであり、今回の「ジュラシック・ワールド」は1993年公開から20年以上の時を経た新作であったことだ。

面白くなかった理由はいくつか考えられる。

  • まず、恐竜の再生方法である。パート1「ジュラシック・パーク」の時は「琥珀に閉じ込められた蚊の腹部の血液から恐竜のDNAを採取し、これを解析・復元した上で欠損部位を現生のカエルのDNAで補完し、さらにこれをワニの未受精卵に注入することで恐竜を再生する手法」であった。まだ、バイオテクノロジーと言うことが言われだした頃で、これを虚実皮膜にするために上記の方法を丁寧に説明していた。いわば、アイディアがあった。ところが今回は遺伝子操作と言うだけで、パート1の時のようなアイディアがない。
  • CGがたいしたことがない。パート1の頃と比べて、見慣れてしまったからだろう。
  • ストーリーがパート1と大差がない。
  • 恐竜が怖くない。
  • 期待し過ぎた。

筆者が、一番恐れている面白くない理由は「筆者自身の感覚の鈍磨」である。これについても、多少はあると思うのである。

たとえば、黒澤明監督の「七人の侍」はこれまで10回観て、10回とも面白かった。しかし、先日、11回目を見たが、この時はなんと面白くなかったからである。

 

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