<名誉毀損も省みない無所属・女性議員つぶし>たった1枚の現物を見せずに「このハガキは公職選挙法違反だ!」と騒ぎ立てる驚くべき手口

政治経済

水野ゆうき[千葉県議会議員]
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千葉県議会議員選挙の投開票日の2015年4月12日。我孫子市選出の定数2を現職の自民党県議(男性・現職)、民主党公認候補(新・男性・元市議)そして無所属の筆者・水野ゆうき(新・女性・元市議)が闘った。
結果は自民党現職と無所属新人の筆者が当選。民主党候補は議席をとることができなかった。民主党の公認候補は我孫子市議会では「あびこ未来」という会派に属しており、「あびこ未来」が一丸となって民主党候補を応援したことは我孫子市民周知の事実である。
そして選挙が終了した5日後のことだ。中央学院大学教授の福嶋浩彦氏(元我孫子市長・菅直人政権の消費者庁長官)から連絡があった。
内容は8000枚の公選ハガキにミスが1枚あったということで、筆者は中央学院大学に呼ばれた。その「公選ハガキの1枚のミス」というのは、福嶋氏の亡くなった奥様の名前が推薦人欄に書かれたハガキが1枚あった、というものであった。
筆者はハガキを作成したスタッフに確認したが、

「水野さんから福嶋さんには推薦すらも頼んでいないので特に注意をするように言われていたから絶対にミスは考えられない」

とのことだった。
そもそも前提として、福嶋氏の奥様は筆者の後援会員であり(奥様直筆の正式の後援会入会手続きを裁判所に提出済)、一緒に車に乗って市民を紹介してくれたり、我が家に来ておしゃべりをしていた仲だった。
慎重を期すためも、著者(水野ゆうき)は、父(選挙責任者)、母(ハガキ管理者)、豊島我孫子市議(市議時代一緒に会派を組んでいた先輩)他1名を伴って、福嶋氏に確認するため、中央学院大学へ赴いた。
その際に、スタッフからの確認を受けて、「こちらではミスはあり得ないので、ハガキを見せて欲しい」と依頼したものの、なぜか福嶋氏はその証拠ともなる「現物のミスハガキ」を見せてくれなかった。
更には、福嶋氏から「ハガキを送った相手を自分で探せ」とまで言われてしまった。その場で筆者も両親も福嶋氏に相当になじられたことは言うまでもない。加えて、福嶋氏の友人まで登場し、大声をあげて怒鳴られる状態にまでなった。
こちらが調査した結果、奥様からいただいた名簿(2人分)から1人、「ハガキを受け取った」という市民がいたため、ひとまずその件について「申し訳ない」と電話で話をした。その市民の方も、「この電話で良い」とのことだった。
それを福嶋氏に伝えると「了承した」ということと、「これからの活動に期待する」旨のメールがあり、「ハガキ問題」は解決したかに見えた。
ところが、翌日、「受取人は文書で謝罪と経緯が欲しいと言っている」と福嶋氏から連絡が来たのだ。そんなことは、受取人とされる市民の方は一切言っていなかったため、受取人に再度筆者から直接電話をすると今度は翻って文書が欲しいというのだ。
不可解な経緯に豊島市議に相談したが、文書を出さないと解決にならず、既に家族も後援会もこの1枚の可能性で疲弊しきっていたため、公選ハガキの手順と謝罪を書いた文書を直接受取人に持っていかざるを得なかった。
ただし、その際に「間違えたというハガキ」を見せてもらおうとした。しかし、その証拠となる「ミスハガキ」は、事前に福嶋氏が取りにきたため持っていないというのだ。とはいうものの、受取人は筆者に激励の手紙まで送ってきたので、その後はハガキの話は一切出ることはなかった。
もちろん、この件から4か月以上経った今も現物のハガキは見ていない。
しかし、その後、事態は急変する。突然、6月の我孫子市議会・総務企画常任委員会にて民主党候補を応援した社民党の早川真市議が、簡単に言えば、

「水野は福嶋氏に推薦を依頼して断られた挙句に腹いせかのように、亡くなった奥様の名前を勝手に公選ハガキの推薦人欄に書いた」

といったような内容を発言してきたのだ。しかも早川氏は、こんな問題のある発言にもかかわらず、この話を「又聞き」であると市議会で発言した。
早川氏がハガキの現物も確認もせずに市議会で発言したことは、先日の裁判で明らかになった。

  •  「又聞きですが、〇〇議員は不倫しているそうです」
  • 「〇〇議員は万引きしているそうです、調査してください」

などといういい加減なことを議会で言われたら、言われた方はたまったもんじゃない。それと同様だ。もちろん、8000枚の1枚とも言っていない。さらに、開示請求をしても提出されない今となっては現存するかもわからない。
しかも、筆者は「そもそも福嶋氏に推薦依頼すらしていない」ので断られるはずもない。話の内容は「又聞き」どころか、「事実ですらない」のだ。
ねつ造話を県議選で負けた陣営の議員から市議会という公の場で繰り広げられた筆者としては、政治家生命にも関わる重大な問題だ。我孫子市議会事務局と手続き相談をし、発言撤回等の申し入れを政治家として公式に行った。
なぜかと言えば、県議会議員である筆者は市議会で反論の場はない。申入書に事実と異なるということを詳細に書き、政治的解決を求めたのだ。
しかし、早川氏はこれに対して拒絶。更には週刊誌にまで、早川氏と福嶋氏の発言に偏った虚偽及び名誉棄損ともとれる社会的評価を貶める内容が掲載されるに至った。非常に悲しい話だが、この段階で、もう筆者には法的措置を講じざるを得なくなってしまった。
ちなみに、この話題が掲載された週刊誌「週刊ポスト」の記者が、発売前に「あびこ未来」と接触していることは我孫子市関係者の多くが目撃している。
更にその間、福嶋氏からは、

  • 妻は後援会に入っていた認識はない
  • 妻の後援会入会ハガキを見せろ

などというメールが相次ぎ、更には筆者を「異常」呼ばわりするメールを深夜にまで送ってくるようになった。もちろん、迷惑この上なく、仕事はもとより私生活にも支障が出始めていた。
これはストーカー行為による千葉県迷惑防止条例に違反する可能性があると指摘し、警告を出した。しかし、筆者に直接連絡が取れなくなった福嶋氏は、今度は「公開質問状」とは名ばかりの「質問などほぼない一方的な主張だけを記載した文書」を県議会の住所に送り付けはじめたのだ。
更にはその文書を、今回の一件とは一切関係のない千葉県議会議長、後援会長、自治会長、筆者が政治家になる前に働いていた会社の上司、全国の地方議員が登録している複数のメーリングリスト、学生等にまでその文書を送付・送信・投稿しはじめたのだ。
しかもメールやメーリングリストは深夜に送られ、意味もわからない一般の方々から、恐怖であるとの連絡が届いた。もちろん、筆者はその連絡や苦情の対応にも追われ、家族全員が心身ともに焦燥しきった状態にまで追い詰められた。
もちろんその名ばかり「公開質問状」に書かれていることは多くの虚偽と名誉棄損が含まれており、更には一般人にまで迷惑をかけて拡散行為を始めたことから、改めて抗議をし、ハガキの開示請求等含め、福嶋氏には法的措置を講じるに至った。
「あびこ未来」と福嶋浩彦氏が親しいことは、いみじくも「あびこ未来」所属の議員が自分たちで明言していることから、今回の迷惑行為や悪質な名誉棄損行為が、この度の県議選に絡んだ「報復」ないし「嫌がらせ」であるという意見が筆者の周囲からも多く出始めた。
出発点は筆者も早川氏も見ていない「ミスと称するハガキ1枚」である。受取人が「受け取った」といったので、筆者たちはそれを素直に信じて、社会人・大人として、常識人として「ミスがあったら申し訳なかった」と謝罪したが、実はそれが1枚のハガキから市議会、週刊誌へと炎上させ、ひいては「議員辞職」へ追い込むために動きだったと考えると恐ろしい。
選挙から4か月以上も経てば、ミスハガキのねつ造も可能であるという指摘も多く出てきている。ただし、ねつ造物であれ、本当のミスハガキであれ、仮に「ハガキ1枚」が出てきたところで、そのハガキ自体は元々「公」にされるものではなく、単なる1枚のミスで公選法違反にはならないことは明白である。市の選管・県の選管に確認もしてある。
市議会での発言を受けた市の選管は県の選管に電話をしたところ、県の選管は「選管に調査権限はない。その議員は現物もって警察にでも行けば」という主旨を答えた。そんなに違反だ、違反だと騒いで、その1枚で当選無効だと言うのであれば、現物を持って警察に行けば良い。選挙を経験した人間であれば、彼らの行為がいかなるものであるかということがよくわかるだろう。
更には同僚都道府県議・基礎自治体議員もそれぞれの弁護士や選挙管理委員会に確認してくれたが、一切公選法違反には当たらないという。むしろ、良い大人男性5人が、組織ぐるみで一人の無所属女性県議を追い詰めるために、長丁場の工作活動を、「ハガキ1枚」をネタにここまでやるか、と失笑さえしている専門家も多い。
市議会議員は市民の為に働く職だ。そして筆者、県議会議員・水野ゆうきは県民の為に働いている。彼らが何をしてこようとも仕事を粛々とこなすことに全力を投球し、地方政治を前に進めることが県民への恩返しであると考える。
地方政治にはおよそ関係のない政治戦略や工作を持ち込むようなまねは、もういい加減にしてもらいたいと痛切に感じる日々だ。4月12日に選挙結果は出ているのだ。そんな中でも、福嶋氏を始め、日々、工作活動の成果が筆者に届けられる。ご苦労様です、とむしろ感心してしまう。
しかしながら、申し訳ないが、それを相手にしているような暇は筆者にはない。政策の立案や県内問題の解決、県民・市民との意見交換はもとより、地域の活動、市民への支援などで手一杯だ。
公開質問状の内容が「事実に反し、水野ゆうきへの名誉毀損である」ということで、「これを広めてはならない」という仮処分が裁判所で審理されている最中である。
にもかかわらず、その名前だけの「公開質問状」を、事実関係の確認もしていない別の議員が他人の書いたものを転載して広めるというのは、法的にも政治的にも倫理上も間違っており、政治家としてだけでなく、社会人としてもあまりに無責任だ。
筆者はこれに対しては、もちろん断固抗議するとことはいうまでもない。しかし、この福嶋氏とその周囲にいる人たちが共同して行う「水野ゆうき潰し」に、筆者は屈しないつもりだ。
これが、心細い中で戦っている無所属議員や女性議員などへの応援になればと思っている。
 
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