アメトーーク「Perfumeすごいぞ芸人」でパフュームがバカにされた場面はわずか一回


高橋維新[弁護士]

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2015年10月30日放映のテレビ朝日「アメトーーク」テーマは「Perfumeすごいぞ芸人」である。

テクノポップユニットPerfumeがいかにすごいかをファンの芸人たち(芸人じゃない人も混じっていたが)が語る回である。ひたすら「何かを褒める」という回となった。

ひな壇のメンバーも、高橋茂雄(サバンナ)と近藤春菜(ハリセンボン)を除けば、ちゅうえい(流れ星)に動きがあるくらいで、弱い。司会の横にジュニアとバカリズムをダブルで配置したあたりに、スタッフの今回の面子に対する自信のなさがうかがえる。

バラエティ番組では、何かを褒めても、例外的な場合を除いて笑いにはならない。Perfumeのすごさは番組を通して十分伝わったが、その部分は笑いにはつながらない。Perfumeを扱って笑いを生み出すなら、バカにしないといけない。笑いというのはそういう業の深い所業であるため、そこで「きれいごと」を言ってもしょうがない。

今回唯一Perfumeがバカにされていた一幕がある。ライブでは恒例らしいが、あ~ちゃんによる「コール&レスポンス」のコーナーである。

このライブのコーナーでは、あ~ちゃんがアドリブで「カボチャ」「ススキ」「栗拾い」といった色々な動きをしてお客さんに同じ動きを要求するのだが、その安っぽさに対してバカリズムが死んだような目を投げかけていた。

他のコーナーにおける未来チックな演出との落差も甚だしい。ここでしっかりと死んだ目ができたバカリズムは偉いが、笑いを追求するなら番組全編をこのトーンにする必要があったのではないか。

Perfumeをバカにできないので、結果として画面上にいる他の演者をバカにするしかない。春菜のおっさん顔がバカにされたり、掟ポルシェという熱狂的ファンの行き詰まり具合がバカにされたり、ライブを見に行った渡辺江里子(阿佐ヶ谷姉妹)の歳に合わないはしゃぎっぷりがバカにされたりしていた。

それは全て断片的なものに過ぎず、Perfumeをテーマに笑いをとる番組という趣旨で見れば、明らかに「逃げ」である。芸人たちがばかりが卑下されてPerfumeが持ち上げられる構図には一種の空しさすら感じてしまう。

しかし、本来Perfumeはバカにできるところを色々と持っているアイドルなのである。

例えば、ネット界隈では、あ~ちゃんの顔がゴリラに似ているという言説は非常に有名な笑いのネタである。これを取り扱えば「アメトーーク」は本物だと思っていたが、ゴリラという単語が出てくることはなかった。

もし、こういう言説が事務所の力学で封じられるから、テレビはネットよりおもしろくないと言われても仕方がない。最後に出てきたPerfumeもガッツリ新曲とライブの告知をしていたので、タイアップの持込企画ではないかということさえ疑ってしまう。

今回の企画はサバンナ高橋が前からやりたがっていたものらしい。高橋がどの程度本気で動いていたかは分からないが、もし真面目にスタッフに働きかけていたとしたら、芸人としてはあるまじき行為である。

さほどおもしろくならない企画が容易に想定されるにも関わらず、自分がやりたいだけという理由で通そうとするのは、プロの風上にも置けない。

もちろん、単に酒席で「Perfume芸人とかやりたいなあ」と言っていただけというレベルかもしれないので、あまり真に受ける必要はないと思うが。

 

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高橋維新(たかはし・いしん)弁護士、コラム二スト。1987年、東京生まれ。2006年、東京大学法学部入学。2010年より「マヒ郎」のペンネームでファミ通町内会へ「ハガキ職人」として投稿を始める。現役ハガキ職人を続けながら、2012年に司法試験合格。2013年、弁護士登録(函館弁護士会)。ファミ通町内会長(第5代)。