<ネットにリスペクトはない?>三谷幸喜「ギャラクシー街道」は面白くないが「ネットの酷評」には疑問


影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー]

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筆者は三谷幸喜さんのファンである。彼の手による作品は、ドラマ、映画はその全てを観ている。舞台は全て、とは言えないが、かなりの量を観ている。

ドラマは「王様のレストラン」、映画は「ラジオの時間」、舞台は「笑の大学」がそれぞれ一番のお気に入り作品である。筆者の年齢は三谷さんが筆者のひとつ上。そんな同世代感もあって、変わらず応援し続けている。

・・・という前フリを踏まえた上で、三谷幸喜の脚本・監督最新作「ギャラクシー街道」を評したい。

映画「ギャラクシー街道」は面白くなかった、いや、正確に言えば、面白い箇所はあった。けれどコネタ的な面白さは、作品全体の退屈さの中に埋没してしまっていた。それが「三谷ワールド」らしい作品と言えば言えなくはない。

舞台であれば成立したのでは、という声もあるようだが、それについて、筆者はどちらとも判断できないでいる。勿論、この作品を「面白い!」と評価する人がいていい。エンターテインメントとは元来そういう類のものなのだから。

とは言え、今まで三谷作品に惹かれ続けたファンにとって、肩透かしの一品になってしまったことは、否めない。ただ、ネットを中心とする酷評については、少し思うところがある。作り手に対するリスペクトがもう少しあっても良いのではないか。

ボロクソに言って、自らの日頃のフラストレーションを晴らしているかのような表記もある。当たる時もあれば、当たらない時もある。それがエンターテインメントだろう。受け手として、どうしてこの映画は面白くならなかったのか? そう考えを巡らせることは、自らの想像力、創造力を養うこととなるだろう。

筆者は、この映画の予告を観た瞬間、「これはガッカリすることになる」と確信した。結果、残念ながらその通りになってしまった。

けれど、そんな作品を敢えて劇場に足を運んで「確認鑑賞」することは、実はとても楽しいことなのである。先日、朝日新聞の連載コラムでも、本作についてどことなく言い訳めいた(?)ことを記している三谷さん。それもまた佳し、である。

次回作に期待している。

 

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影山貴彦

影山貴彦(かげやま・たかひこ)同志社女子大学 学芸学部情報メディア学科・教授。早稲田大学政治経済学部卒。専門は「メディアエンターテインメント論」。毎日放送(MBS)プロデューサーを経て現職。日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」「おっさん力」「百恵讃」「社会人大学院生入門」など。