<よく言った。それをお前が、やってみろ①>「自然治癒」こそがダメなテレビ番組の治し方


高橋秀樹[放送作家]

  「ダメなテレビ番組の治し方」と題したこの記事のタイトル。もちろん、「治す」は「直す」の間違いではない。 今回は「視聴率の取れないテレビ番組」を治す処方箋について書いてみたいと思う。「視聴率は悪くてもいい番組」という考え方はとりあえず放っておく。 僕の知っている直し方は3つ。「引き算で治す」「割り算で治す」「掛け算で治す」である。つまり、「足し算で治す」方法はない。その理由はこのシリーズの最後に明かす。 番組を治すにあたって、一番難しいのは、「一度当たったが、ダメになった番組である」 35年の放送作家生活で100近くの番組に携わったと思うが、そのうち自分が経験したこのケースは『朝ズバッ!』のみ。『朝ズバッ!』は、当初から他がやっていないこと目指していた。主婦層が見る時間帯で、芸能ネタは極力避けて、愚直に政治経済を扱った。

  • 衆院選で小泉自民党が郵政民営化訴え歴史的大勝
  • JR福知山線脱線事故・マンション耐震強度偽装問題
  • ライブドア、フジテレビの攻防激化
  • 安倍政権発足も政権放り投げ
  • ホリエモン、村上代表らヒルズ族逮捕
  • いじめ自殺、未履修などで教育現場混乱。

視聴率は面白いように上がってゆき、週平均視聴率は、11.2%を記録。裏番組を圧倒した。国会議員が朝必ずチェックすると言われる番組までになった。 しかし、2008年ごろになると福田政権も政権を放り出し、政治が面白くなくなった。不幸な出来事も重なって視聴率はじりじりと下がってゆく。2009年民主党衆院選で圧勝。しかしこの政権は論じるには若すぎた。どん底の視聴率に低迷。焦って、芸能ネタに手をだしそうになったが堪える。 2011年3月11日、東日本大震災と大津波、そして東電福島第1原発事故発生。これによって、世の中の雰囲気が変わった。そして数字は徐々に回復していく。またヒット番組の地位に返り咲いたのである。だが、この番組の末路(?)はご存じのとおりである。 この回復は、自然治癒だったわけで何か手を施したわけではなかったのだ。

 

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