<「007 スペクター」は全部落第>合格点は「ボンドガール」のみだがやっぱり見ても損はない


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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映画「007 スペクター」を見た。「やっぱり、ジェームス・ボンドはショーン・コネリーでないと」という爺の繰り言をするのはもうよそう。ショーン・コネリーには充分楽しませてもらったのだから。

さて、「007 」の楽しみはと言えば、

  • カー・チェイス
  • ボンドガール
  • ボンドの使う新しいメカ
  • 緊迫感のあるところに差し挟まれる抑制の効いた小ギャグ
  • あんまり期待しない主題歌

と言うことになる。

「Spectre(スペクター)」のつづりが「e」と「r」で米語とは反対。「ボンドはやっぱり女王陛下の諜報部員なんだ・・・」と思うまもなく映画が始まる。オープニングはかっこよくて最後はギャグ終わりのはずだが・・・あれ? ギャグライターが手を抜いたのか。星2つ。

サム・スミスが歌う主題歌「ライティングス・オン・ザ・ウォール」(グラミー賞受賞者であるジミー・ネイプスとスミスとの共同作曲)は長い。もっちゃりしている。この歌バッグのタイトル映像をつくるのは監督大変だっただろう。星2つ。

ボンドの使う新しいメカも作りにくくなったんだろうなあ、とちょっと同情。ドローンとかICチップとか3Dプリンターとか現実の方が先を行っている。星1つ。

ボンドガール。因縁の殺し屋Mr. ホワイトの娘、マデレーン・スワンを演じるレア・セドゥは。ものすごいグラマー、重いだろうなあ。星3つ。

ボンドカーでのカー・チェイス。ここに小ギャグが入っているが不発。ところでカー・チェイスを見て考えた。カー・チェイスで走る道はドラマの流れから見て必然性がなければならないのは出発地点だけである。

雪山が出発地点なら、最初は雪の回廊のカーチェイスでなければならないが、その先は時間経過さえ使えばどこを走っても自由なわけで、監督が走らせたいと思ったところ、アクション監督がアイディアを思いついたところ、撮影許可の出たところなどが決まるはずである。そういう意味では撮影許可の出たところを多く走っている気がしたのは残念だ。星3つ。

とまあ、酷評してしまったが、全体としては楽しめたことも書いておこう。総合的には星3つ。

 

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