<主治医時代の足音が聞こえ始めた>大病院の医者にかかる前に頼れる町の総合医を


松井宏夫[医療ジャーナリスト]

 

“主治医時代”に向けての足音が聞こえ始めた。

厚労省の調べでは500床以上の大病院に紹介状を持たずに受診する患者が半数以上。これは前々から問題視されていた。それを変更し、段階を経て受診してください!という方向に持って行く。簡単に言うと「風邪などちょっとした症状で、大病院を受診するな!」と言うことである。実際、重症患者が長く待たされ、病状を悪化させたケースは少なくない。

ドイツのように、まずはかかりつけの主治医に診てもらい、より高度な医療を必要としている場合は、主治医の紹介があって初めて大病院で診てもらうことになるのである。

ドイツのようにと書いたが、日本でもかつてはそうだった。それが診療分野の細分化により、総合的に診察ができるホームドクター(総合医)が減少してしまったために、誤診が多くなり、人々の大病院志向が強くなった面もある。「保険ではない初診料の全額負担案」などいろいろ案は出ており、2016年をめどに導入する方向である。

ただ、その時には今指摘した総合医、もっと主治医として“頼れる町の総合医”の育成に力を入れて欲しいという声がある。これは聞き逃さないでほしいものである。

 

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松井宏夫(まつい・ひろお) 医学ジャーナリスト 1951年 富山県生まれ。中央大学卒。日本ドキュメントフィルム助監督、『週刊サンケイ』を経てフリーに。最先端医療やがん医療を精力的に取材。名医本のパイオニア。日本医学ジャーナリスト協会幹事、東邦大学医学部客員教授。最新刊に『がんと闘う!名医と最新治療』(主婦と生活社)。著書多数。