<SMAPはゆるやかに自殺する>ファンが気づいたSMAPを操縦していた「他の誰か」の存在


高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

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SMAPは緩慢に自殺する。

ところで、糖尿病である筆者は、糖尿病になったときに最初の医者に言い渡された言葉は次のような言葉だった。

「糖尿病はゆるやかな自殺です」

あらゆる病気になったときに抵抗性が低くなるのが糖尿病だ。しかも、現代の医学では糖尿病は完治しない。

昔は、糖尿病になると生命保険には入れなかった。「糖尿病は一生つきあっていく病気だ」と言う、前向きな考え方もあるぐらいだ。

時に血糖降下剤を飲み、時にインシュリンをうち、運動し、食事のカロリーを控え、体が自殺する時期を先延ばしにしなければならないのが糖尿病患者だ。体と脳は、基本的に一体だから自殺である。

芸能人は「コアなファンという病原菌」と「浮動層ファン(何となく好ましく思っている)という免疫」が混在している「人気という混濁したスープ」の中に飛び込んだ人々だ。芸能人自身は次々とカンフル剤を打ち込む。

「コアなファン」という病原菌は対象の芸能人である自分たちの乗り物を何とか生きながらえさせようとするが、一方で乗り物自体の体をむしばんでいく。「浮動層という免疫」はそれを阻止しようと働くが、余り働き者ではない。

もうダメだとなればすぐ他の乗り物に乗り換える。芸能人はあらゆる手立てを使って、病原菌と免疫を、ともにに生かしていかなければならない難しい商売だ。

時にそのバランスが崩れて坂道を転がり始める瞬間がある。

SMAPにとって、それは、あの謝罪会見を行ったテレビの生放送だったのではないか。瞬間最高視聴率で37%もの人が見た納得の出来ない会見だ。

「コアなファン」も「浮動層ファン」も、自分たちが乗り込んでいたSMAPと言う乗り物が、SMAP自身が操縦していたのではなく、ジャニーズ事務所やその軍門に下っているテレビ局によって操縦されていることを知ってしまった。ファンは、信じて乗った乗り物が、誰の意図でどこに行かされるか分からない乗り物だと知ってしまった。

浮動層はもうコンサートホールの出口に並んでいる。これからは、コアなファンだけでやっていかなければならない。明日なき戦いが始まる。

SMAPという体が、自殺する時期を長引かせようと、常に体のケアをしていたのが飯島マネージャーだった。SMAPがこれまで食べなかった野菜を食べさせ、体質改善を徐々に行なおうというのが彼女の作戦だったのだ。

だが、体質改善は突然打ち切られた。

SMAPのうちの何人かは知らないが、自らの意思で、新しい管理栄養士について体質を改善しようとしていた。しかし、SMAPの操縦者はそれを阻止した。

「我々操縦者は君たちに巨額の栄養をつぎ込んでいる。その栄養では十分ではないのか。」

栄養が、体を蝕む栄養かもしれないことには触れることはない。他殺ではないのか、とう意見もあるだろうが、それでは、あまりにも悲しい。

かくしてSMAPは緩慢に自殺する道を歩み始める。テレビを道連れにして。

 

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