<旧聞さんまさん論>「俺について書いた本を出したい?ええけど、さんま言う名前は使わんで書いてな」

エンタメ・芸能

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
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「新さんまさん論」(伊敷豊・こう書房)と言う本を本屋で見つけてしまったので、つい手に取ってしまって、ぺらぺらめくってしまって、見てしまった。
30年来のさんまさんファンだというマーケティングをやっている人(マーケター)が書いた本だ。マーケターというのはどうやれば儲かるかを教えてくれるのが商売の人だ。明石家さんまを商品としてみたときにどこが優れているのかを分析している。
さんまファンだからもちろん褒めているのであって、さんまさんを面白い人だと思っている筆者としてはいい気分で読める本である。読んで気分を良くしている筆者としては、本稿では、さんまさんについて筆者が知っていることを少しだけ以下に記したい。

  • さんまさんは、インタビューなどが活字になることを嫌う。その理由は「活字は残るやろ、残るのがいやなんや。残ると言うことはイメージが固定することやからな」
  • さんま「俺について書いた本を出したい? ええで。ええけど、さんま言う名前は、使わんで書いてな」
  • ドラマディレクター曰く「さんまさんはリハーサルなしで本番に入った方が面白いのは分かっているんです、でも、リハーサルなしでは他の役者さんができない、それでさんまさんにもやってもらっています」
  • 「いいとも」ディレクターがタモリンピックにて「さんまさん。もっとまじめにやって下さい」と。蛮勇のあるディレクターである。蛮勇とは思っていないのか。

タモリさんとさんまさんの「タダの雑談」はずっと聞いていたいほど、面白った。
【参考】<担当作家として振り返る>「さんまのスーパーからくりテレビ」終了と番組22年の軌跡
ある日、こざかしく視聴者のはがきを入れたが、そのはがきは読まれることはなかったと記憶する。しかし、さんまさんがはがきを手に持っているだけで雑談は途端につまらなくなった。

  • 筆者「さんまさんは、親しくなったと思ってスッと、ふところに入っていこうすると、バチーンってはねつけられることがある、その見極めが難しい」
  • 筆者「さんまさん、面白いのはテレビで充分です。お願いですから普通の話しましょう」。さんま「しとるやないですか。普通の話」

どれがシャレの話で、どれが普通の話なのか筆者には未だに見分けがつかない。

  • 筆者「さんまさんの番組やって一番失敗作が多いの僕なんですよ」。さんま「やっぱりあんたでっか」

さんまさんは収録でたくさんの下ネタを言う。どこまでが下ネタかは、時代によって変わって行くとは思うが、それでもさんまさんの下ネタは全部丁寧に切ってくれるようにディレクターにはお願いする。
さんまさんとは同じ昭和30年生まれだが、筆者が早生まれなので1学年上である。そんな話をしたことがあったのだったろう。筆者はわずか半年年上だけなのに「はん」付けで呼ばれる。

  • 筆者「(半分マジで)さんまさん、明石家ください、明石家名乗っていいですか」。さんま「ええで」

さんまさんはこの話は忘れているだろうが、同じ歳としては記憶力は抜群にいい人である。
 
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