<もはやお笑い番組>笑えるシーン連発!イジられキャラ登場の『舛添さんモノ』


両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー]

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いささか不謹慎のお叱りを受けるかもしれませんが、5月12日(木)と13日(金)の二日間、テレビで舛添さんをフォローしていてけっこう笑わせていただきました。

まずは例の記者会見の前夜、舛添さんが生出演されたBSフジ『プライムニュース』です。この番組は月曜から金曜まで、フジテレビ報道局政治部長の経験もある反町理編集長がキャスターをつとめる報道番組です。

この番組の数時間前、12日(木)の午後の囲み取材で、舛添さんは、「明日(13日金曜日)の会見までに間に合うように全力で『精査』してお答えする」と群がる記者の質問を遮っていました。

ですから、夜のBSフジ『プライムニュース』に出演しても舛添さんはなにも話せることはなかったはずです。それでもなぜ出演したのかというと、番組後半で東京オリンピックについて遠藤オリンピック担当大臣と議論することになっており、遠藤大臣が来る以上、舛添さんの都合だけでキャンセルすることができなかったのだと思われます。

おそらくはイヤイヤ出演したのであろうこの番組、舛添さんが不幸だったのは反町キャスターがかなりの手練れだったことでしょう。

この番組をボクシングに例えれば、反町キャスターの質問攻撃に、舛添さんは両手で固く顔を覆い、『精査、精査』と言いながらリング中をひたすら逃げ回るという展開に終始したのでした。

この手練れは、舛添さんに無礼ではないていどの言葉使いで、いささかも怯むことなく『当然の質問』という連続パンチを繰り出します。

【参考】自ら「炎上」へと突き進む?舛添都知事の「理論的な釈明」

これに対して舛添さんは『間違ってはいけないので精査してお答えしたい』と逃げを打つのですが、その度に「なるほど、なるほど」と言いながらこの手練れは次のフリップを引っ張り出し、質問を平然と続けます。

そうなると舛添さんはまたしても『それについても、いま全力で〝精査〟していますので・・・』と繰り返すしかありません。すると手練れはまたまた、「なるほど、なるほど」と言いながら平然と次のフリップを引っ張り出し・・・、舛添さんはまたしても『それについても全力で『精査』して・・・』

『精査』『精査』の一本槍でひたすら逃げを打つ舛添さん。それを『蛙の面にナントカ』で平然と質問を続ける手練れ。これが何度か繰り返された頃には、二人が真剣であるだけに、そうとうおかしなやり取りに視えてきたのでした。

10回ほど『精査』を繰り返し、ようやくCMに入って一息ついた舛添さんですが、CMがあけ、また性懲りもなく質問が始まると、舛添さんの表情にはありありとウンザリ感が見えてくるのですが、もちろん、手練れはそんなことにはいっさいお構いなしに平然と質問を続けます。

『精査』と『平然』の繰り返しはまだまだ続きます。

あまりに『精査』を繰り返しすぎ、『精査』が条件反射で口に出るようになってしまったのか、『舛添さんは美術品は描くのがお好きなのですか、鑑賞するのがお好きなのですか?』という質問にも、『それについても、(精査)・・・』と言いかける始末。

これには手練れも『これも答えられないのですか?』と吹き出し、筆者も爆笑させていただきました。

明らかにキレかかった舛添さんが、感情を無理矢理抑えこみ、ナントカのひとつおぼえの如く同じ回答を15回も20回も繰り返します。しかしいつまでたっても手練れはなんだかんだと質問をやめず、許してはくれません。

この繰り返しの可笑しさに笑い続けたのはおそらく筆者だけではなかったと思います。気がつけば、この図式は昔からある笑いの基本パターンのひとつで、この番組はもはや報道番組から充分に笑えるコント番組になっていたのでした。

そしていよいよ翌13日(金)午後2時、日刊スポーツの調査によると98%の人が納得しないという奇跡の記者会見が始まります。あれほど繰り返された『精査』の結果は無惨でした。

ホテル三日月の支払いについて、家族旅行として予約し、親子4人で2泊したが、その部屋に事務所関係者などを呼んで会議をしたので、この旅行の費用は全額政治活動費だと判断した、という舛添さんのご説明には唖然とするしかありません。

それを翌年も繰り返していたのですから、会見でこの説明を聞いた記者たちから失笑がもれたというのもうなずけます。

【参考】舛添都知事のお金にまつわる「セコい話」に唖然

報道によれば、

  • ホテル側は『宿泊客以外の部屋の利用はお断りしている』と言っているようです。ならば『事務所関係者など』の名前も明かせぬほど重要な方々は、『緊急で重大な決定をする会議』のために、ホテルスタッフの目を盗すみ、忍者の如くホテルにこそこそと潜入したと思われます。これもまるでコントでは。

ほかにも、

  • 天下の舛添さんが重要案件の打ち合わせを回転寿司店でしているという光景を想像すれば、あまりの場違い感に、これはこれで笑えます。
  • 私人舛添要一が書いた本を公人舛添要一が公費を使って大量購入し、その印税が私人舛添要一の収入になるというずる賢さも失笑モノです。
  • 東京研究の資料として浮世絵等の美術品を大量購入した件も、浮世絵を収録した出版物がいくらでもあります。あえて自分の楽しみのために美術品を公費で買ったのなら、その了見の卑しさにも笑えます。
  • 湯河原の衣料品店で買ったお子さんのパジャマやご自身のパンツも政治活動費としたのでは?という一部報道もあります。万が一これが事実なら、そのセコさは笑いを通り越して哀れです。

言い訳を聞けば聞くほどあまりの馬鹿馬鹿しさに笑いが出てしまう今回の舛添会見でしたが、これを受けて民放各局のコメンテイターのみなさんもバラエテイ番組並みのウケ狙いコメントを連発しておりました。

元妻の片山さつき議員は、『カギ括弧と付きで「公私混同の極み」』 と『ゲスの極み』にひっかけて事前準備した感もあるコメント。

元宮城県知事の浅野史郎さんは『理路整然たる非常識』と渋いコメント。

元宮崎県知事の東国原英夫さんは『法的にはぎりぎり、人間的にはアウト』

などなど。

筆者がいちばん笑ったのはTBS『ゴゴスマ~GOGO!Smile!』が番組の〆に出したフリップです。

『週刊文春編集部に聞く!!舛添都知事に新たな疑惑 三の矢は存在するのか?』

で、週刊文春編集部からの回答、

『週刊文春もいま 全力で精査しています』

出川哲朗、狩野英孝に続くイジられキャラの登場です。しばらくはテレビで舛添さんをフォローしていると、けっこう笑えるシーンが視られそうです。

 

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両角敏明

両角敏明(もろずみ・としあき)テレビディレクター、プロデューサー。 バラエティ、報道、情報、すべての番組を手がけてきた。