「ポケモンGO」が海外でも大ブーム[茂木健一郎]


茂木健一郎[脳科学者]

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この二日間くらい、「ポケモンGO」に関する英語圏のメディアの報道がすごくて、ブーム、というか狂騒状態になっているようだ。7月6日にアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでリリースされたとのこと。BBCでも、特集を組んで盛んに伝えていた。

もともと、「ポケモン」は、昆虫採集からヒントを得たとも言われているけれども、「ポケモンGO」は、スマートフォンに無料のアプリをダウンロードして、野外に出てポケモンを探すということで、本来の姿に近づいた・回帰したとも言える。

「ポケモンGO」は、アメリカのアンドロイド端末で、ツイッターのデイリー・アクティヴ・ユーザーを抜いたとか、凄まじい報道がなされていて、今までポケモン・マニアではなかった人たちも、興味を持ってダウンロードし始めているらしい。

【参考】<『妖怪ウォッチ』と『ポケモン』の違い>『妖怪ウォッチ』は世代を超えたコンテンツになれるか?

「ポケモンGO」でポケモンを捕獲するには、とにかく屋外に行っていろいろな場所を歩かなければならないので、副産物として、外に出るようになったり、運動量が増えた、という「成果」も報告されている。BBCは、朝8時から夜の12時まで歩き回っているゲーマーの事例をニュースで伝えていた。

「ポケモンGO」の関連報道もさまざまで、水辺のポケモンを探して川に行った19歳の女性が偶然男性のご遺体を発見したり(事故のよう)、ポケモンがたくさん出現する場所で待ち構えていて、所持品を強奪するティーンエイジャーが逮捕されたりしているらしい。

笑ったのが、「ポケモンGO」を持って歩きまわるのが面倒だからと、ドローンを使って飛ばして、その画像を飛ばして操作はノートパソコンでやって、大量のポケモンを捕獲しようとする人も出たことで、結果として、そのエリアにはポケモンがあまりいなかったので、失敗に終わったとのことである。

日本でのリリースはまだのようだけれども、屋外に出て、実際にある場所に行かないと、あるポケモンが捕獲できないところなど、「ポケモンGO」には、斬新だがよく考えれば原点とも言える機能があり、大きなブームになることは間違いないと思う。

ところで、ポケモンGOでは、最初に3つのポケモンが示されて、「どれにする」と聞かれるらしいが、そこから歩き去ってうまく拒否することを4回繰り返すと、選択肢に人気のピカチュウが加わる、というハックを英語メディアがうれしそうに伝えていた。

「ポケモンGO」の初速での爆発的な成功を見ていると、ネットゲーム、ロケーションゲームも結局はキャラクター、世界観を含めたさまざまな要素のバランスで、今その時が来ているのかもしれないと思う。「ポケモンGO」の成功の後に、さまざまな「ホープフル・モンスター」が続くことだろう。

  (本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)

 

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茂木健一郎

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)脳科学者。株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。1962年10月20日、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程終了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を出て現在に至る。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。