日本人の年金が米国「クラスター爆弾」製造企業に流れている

政治経済

山口道宏[ジャーナリスト]

***

非人道兵器「クラスター爆弾」製造の米国軍事会社に我が国のGPIE(年金積立金管理運用独立法人)が公的年金の積立金を投入しているという。

ということは、その爆弾でシリア、リビア、イラク、アフガニスタンといった国々の市井のひとびとを「殺している」ことになる。クラスター弾は日本も署名する国際条約で製造禁止の爆弾のはずである。

その爆弾製造会社の株式を同じ日本という国が堂々と保有しているのだからやっていることはメチャクチャだ。安倍現政権は、なんと「株式保有は可能」と閣議決定している。

そもそも公的年金の市場運用自体がおかしい。

GPIFの前身の年金福祉事業団は、全国あちこちに「グリーンピア」をはじめ沢山の箱モノを作り、やがてタダ同然で売却した。国民の資産に大損失を与えながら知らぬ存ぜぬで逃げ切ったことを国民は忘れない。それをきっかけに政権も変わっていた。

【参考】<議員に年金はいらない>汚職なきデンマークの地方議員はボランティアhttps://mediagong.jp/?p=22117

海外では公的年金で市場運用などないのが普通で、米国ですら実施していないという。その米国の軍事産業に投資する日本政府だからあきれる。

現在わが国では20歳になるや、学生身分であろうと引きこもり状態であろうと年金保険料の納入を求められることは周知のとおりだ。ただし、支払い能力がなければ親に託すのが一般的だから、親は高い学校納付金に加え、更なる負担増に泣いている。

ところがだ。官僚は十分な積立金を保有しながら「年金危機」をあおり、その引き下げをこっそり実施し、支給開始年の先送りを画策している。なにが「少子高齢化」で、なにが「持続可能性が」である。

日本の年金とは「消えた年金」「漏れた年金」「棄てられた年金」に続いて、いよいよ「人殺しの年金」だ。殺人の道具づくりにわれらの年金積立金を使うなど、人道上、到底許されない。

官僚天下り先のGPIFは即刻解散、そして政府ともども責任を追及のときだ。

【あわせて読みたい】