< 昭恵夫人は「国葬」辞退を>国葬対象とは「象徴・天皇」だけ!

社会・メディア

山口道宏[ジャーナリスト]

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先頃、英国のエリザベス女王が逝去された。96歳であった。70年の長きに亘る在位とその実績にいま多くの英国国民が涙している。当然だが国民は国葬のもとでその死を悼むのだ。我が国の天皇皇后も葬儀に参列される。

ところかわって、ニッポンの国葬問題だ。

政府が予定する故・安倍晋三元総理の「国葬」は、連日報じられる過半の国民の「国葬反対」の声に押され、開催予定の20日前になって「予算概算」をしぶしぶ公開する? のが「聞く耳をもつ」岸田政権の政治手法のようだ。

また、その「国葬」に際し、当初発表の「2.7億円」がなんと「16.1億円」とシラっと大きく修正するのは(9月6日)、自民党が伝統とする後出しの姑息且つ大胆なやり方だ。 同時に、そういうそばから「(実際の掛かりは)終わった時点でないと分からない」(官房長官)と恥じることなく念を押すから呆れる。「おいおい、それってすべて税金だよッ」には「事前に、公表はしましたので」という後日の追及に向けて早々のアリバイづくりか。

それは、単に金額の問題じゃない。

昨年の「東京五輪」もそうだが、野党もメディアも、そんな政府の「説明」に金額の多寡への誘導にどっぷり浸かっている!!  それでいて、いまだ「五輪」経費の全貌とて不明のままだ。ここにきてボロボロと「五輪」をめぐる贈収賄が表沙汰になっている。

「五輪」では、当初7340億円(「立候補ファイル」招致活動時公表)が、経費総額は推計3兆700億円(都と国の支出総計)だった。期間中も国民が「コロナ」に喘ぐ様を横目に、政府は臆することなく国民の血税を使い、ニッポンの面子? で強行している。

本件は、言うまでもなく「なぜ、安倍氏が国葬なのか」が本質だ。

このままでは、残念ながら「安倍」というひとは、「金食い虫」として歴史に名を残すことになるから心配だ。識者の一部には長い首相在任中の「功罪」と説くも「森友」「加計」「サクラ」「アベのマスク」が市井の記憶に残るレガシーだから、海外メディアには「コウワナンデスカ」と問われて自然だ。

[参考]4億円踏み倒し「ひろゆき氏」の統一教会批判に感じる違和感

さらに故人は、実績づくりのため頻回の「外交」では、かの地に国庫からジャブジャブと金品をバラまく仕儀に、「外交」とは海外に出掛け「お金をバラまくことなり」の誤解を生んだ。

海外からの弔問にあっては、かつて億単位の「お金」を安倍首相(当時)からもらったから 「義理で葬儀に参列」 というのが、およそ本音。なにが「弔問外交」(岸田首相)か? メディアはまた、その日を「五輪」のように公器を使い 生中継をするのか。

非業の死は、旧統一教会会員を親に持つ子供による同協会への 怨恨が原因の殺人事件だった。晋三氏自身もまた「教会3世」だった。同協会との強固な関係性は「安倍家3代」に遡ることは知られている。

9月早々、神奈川県葉山町。「葉山町議会、安倍氏国葬反対の意見書可決、政府国会に提出へ。法治主義にも財政民主主義の原則にも違反」というから、まっとうだ。そこには自治体の意地と名誉と誇りがある。言うまでもなく「法律」に基づかない政治はなく「予算」なき執行などありえないは当たり前だ。全国1700自治体は神奈川県葉山町につづかないといけない。

はっきり言おう。

国民は「コロナ」を理由に、家族親族の死に目にもあえず、葬送の儀すら自粛して永久の別れだった。故人は国会議員だから特別公務員という国民に奉仕する「公僕」だ。そももそ国葬対象は日本国憲法が謳う「象徴・天皇」だけである。いまからでも遅くない。未亡人となった公人たる昭恵夫人は、亡き夫の名誉のためにも「国葬」を辞退し「時節柄、拙宅は家族葬でいたします」と申し出るがいい。

 

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