<議員に年金はいらない>汚職なきデンマークの地方議員はボランティア
山口道宏[ジャーナリスト]
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市長を除いて、地方議員は本職を持ち、余った時間で市議会活動。このデンマークは、世界で最も汚職が少なく、5年連続で世界一である(汚職・腐敗の防止を目指す国際NGOのトランスペアレンシー発表)。
毎年の「幸福度」調査でもデンマークは世界一か上位を占める。他の国に比較して高い税金は、国や市の運営資金且つ財産ゆえ、その税金を粗末に扱うことなど到底許されない。納税者の国民・市民の目も厳しい。
それに引き換え「あいつも、こいつも」な我が国のセンセイ(議員)たちの生態である。
国から地方まで多くのセンセイが年金保険料の掛金未納だった事実が発覚し世間から糾弾されたことを覚えている読者も多いだろう。そうでなくても過分な議員特権が話題で、ついては国会議員年金も地方議員年金も廃止、それは国民年金に移行した。
【参考】<富山市議8名が辞職>税金である政務活動費を使いきろうとする議員たちの異常性
しかし、つい先頃の共同通信の調べでは、地方議会の半数にあたる900議会で議員年金復活を目指すべく法整備を国に求めているという。いうまでもなく厚生年金の掛け金は労使折半、すなわち使用者である住民の税金が投入されることに。
推進派は、恥じらうことなくこう語る。
「老後の生活が不安だから」
「これではなり手がなくなる」
筆者は思わず「よく言うよ! だったらやめてもらって結構毛だらけだ!」と叫んでしまう。国会では「カジノ法」(2016.12参院)と「年金カット法」(同)をセットでひとつ国会開期で強行的に決めておいて、どの面さげて言うのか。誰も、あんたらセンセイを慰留しない。
「幸福度世界一」のデンマークでは地方議員はボランティアだ。仕事が終わった夕方から議会は始まるのだ。政務費を私物化し、それも使途不明(!)など、みみっちい事をする議員はいない。議員、役人、公務員の道徳性は高いし、国民の政治・政策への意識度も高い。
いまや我が国のセンセイらは実にハイエナのような存在となった。
選挙でその地位を得た議員とはもともと「一発屋」。そんな議員に税金に依拠する年金は必要なのだろうか!?
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