NHK党代表権争いは『令和の奇怪事件』だ
メディアゴン編集部
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8月9日に党名および国会会派名を「NHKから国民を守る党(NHK党)」へと変更(復帰)させた「旧・政治家女子48党」。元NHK職員・立花孝志氏が実質的に率い、参議院議員・浜田聡氏、斉藤健一郎氏および前衆議院議員・丸山穂高氏を役員とし、攻撃に強いタイプの、なかなか頑健な論客をそろえた政党になっている。
普通であればとうの昔に壊滅していてもおかしくない「ワンイシュー型ミニ政党」にもかかわらず、何かと話題が多く、2人の国会議員と複数の地方議員を抱えるだけでなく、いろんな意味で注目度は高いNHK党。
一方で、NHK党には今年4月から続く「代表権争い」という『令和の奇怪事件』とも言える謎の騒動がある。
ほとんどの有権者にとっては何の興味も意味もないことであるが、現在、NHK党の代表権をめぐって内紛が起きているのだ。正確に言えば、創立者である立花孝志氏が「政治家女子48党」への改名の際、軽い気持ちで党首を政治経験のない一般女性に任命した。もちろん、当初は「女子党なのだから、女性党首で」というぐらいの感覚で、党運営の実際は、これまで通り、NHK党の執行部で行うと考えていたはずだ。そして、任命された一般女性もその事実と実際を受け入れることで、党首の引き受けたのではないだろうか。
しかし、党首の任命と登記変更が完了すると事態は一変する。党首=代表権者となった一般女性が突然、立花孝志氏率いるNHK党(当時・政治家女子48党)執行部に対して反旗を翻したのである。立花体制下において、複数の不正があった、逮捕案件があった、反社と付き合いがあった等々を主張し、立花氏には党運営はまかせられないと、党の実権は自分にあるという前提から、自称党首の一般女性(とその周辺に集まってきた活動家たち)は立花氏および執行部を無視した独自の活動・主張をし始めたのである。
しかも、「NHK問題解決」のワンイシュー型で国政政党になったNHK党にもかかわらず、NHK問題への取り組みを放棄したとも思われる主張をしたことで、いっきに支持者離れが起きたとも言われている。(それが先日のNHK党への再改名へとつながる)
「名前だけの党首」を任命したつもりであったNHK党執行部からすればとんでもない話であが、もちろんこれは軽々な人事をした立花氏の完全な失策である。とはいえ、なんとも奇怪が事件である。最大の謎は、政治家としての当選経験も政治経験もまったく持たない「一般人」が国政政党の党首を自認し、そこに集まってきた「落選経験しかない活動家」や「政治経験皆無の一般人」たちを役員に任命したり、国政政党を運営しようとしている点である。しかも、党首を自称する女性の発言はほぼ全てTwitter(現X)である。
さらに奇怪なことは、5月に開催された同党役員会および総会において、党首となっていた一般女性は、賛成多数で解任され、除名処分となっている、ということだ。つまり、当該女性は民主的な手続きにおいて党首でもなければ、党員でもない「党は無関係な人」となっている。しかし、この決議を受け入れず、「総会の無効」を主張し、登記の変更に応じていない。普通は、選挙で落選した人は「わるあがきは恥ずかしい」と思い、素直に撤退するはずだが、そうなっていない状態には理解に苦しむ。
そして、登記が変更されていない(=代表者変更の手続きに応じない)ことを根拠として「まだ自分が真の党首」を主張し、一人の政治家も存在しないグループ内で、役員人事を勝手に発表するなどを繰り返しているわけだ。実に奇怪な事件である。目的も不詳だ。
もちろん、行政も国会も、結局は実際の議員や政党事務局とのやりとりで政治活動をしているので、あらゆる業務は言うまでもなく、立花氏や、2人の国会議員、国会内の会派事務局へと届けられる。よって、代表権争いは、同党の活動にはなんら影響を及ぼしてはいないという。しかし、状態としては、実態がないにもかかわらず、党首を自称して「エア党首」を続ける当該女性の狙いも理解不能だ。実に不気味であり、奇怪である。
そして、さらに理解できないことが、自称党首女性は、立花氏率いるNHK党に反旗を翻し、これまで「反立花、反NHK党」の旗のもと行動を共にしてきた「幹事長」を8月14日に除名したことである。この人物は、NHK党時代から幹事長を務め、その後も引き続き、幹事長として自称党首女性の矢となり、盾となり支えた人物である。
この幹事長氏、賛否両論ある人物であるとされるが、求心力や行動力は強く、いわば党運営の核となっていた人物である。この人物を解任したことで、自称党首の女性の活動は今後、一気に縮小する可能性が高い。代表権争いが泥沼化している現状を鑑みると、幹事長氏を解任しても、エネルギー不足になるだけでメリットはない。
当該女性に残るのは、責任者として訴えられた複数の裁判への出廷だけだろう。今後、長期にわたり、複数の裁判の被告・原告としての生活が続くことになる可能性は高く、想像するだけでも恐ろしい。現在30歳とされる当該女性であるが、人生の大事な時期の大部分を裁判で消費することになるのだ。
ところで先日、メディアゴン編集部では、「<ようやく?また?>旧NHK党が党名と参議院会派名を「NHK党」に変更(https://mediagong.jp/?p=33729)」と題するニュースを報じた。すると、その記事に対して、Twitterにて自称党首女性の支持者と思われるユーザーから「さあ、いくら払って提灯記事書いてもらったの?」というポスティングがなされた。本誌の記事が、立花氏かNHK党から金銭を受けて書いた「ステマ」であると言いたいのであろう。完全な事実無根のデマであり、誹謗中傷だ。
記事を読めばわかるが、同記事は、純粋な「NHK党の再改名」を事実ベースで報じたもので、立花氏を擁護したり、自称女性党首の活動を批判しているような内容ではない。ニュースメディアの信頼性を毀損させるようなポスティングをすることが「政治活動」の一環なのだろうか? 自称女性党首界隈の動きはあまりにも不気味であると言わざるを得ない。
最後に改めて書くが、本誌記事は立花氏から依頼されて報じたものではない。これまでも何の関係もない。立花氏とは面識もない。そもそも、NHK党およびその関係者に知り合いなど一人もいない。純粋なニュースとして報じているだけであることを付記したい。
そしてこの記事もメディアゴン編集部として独自に作成し、配信しており、立花氏ともNHK党とも一切関係がない。
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