<救いようがない民進党>崩落原因を究明せず代表ポスト争奪の愚-植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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猛暑日となった7月29日の関東地方。私は小沢一郎議員の政経フォーラムに出席後、横浜駅相鉄口で行われた『安倍内閣の総辞職を求める全国一斉緊急市民街頭行動』に参加して、街頭でのスピーチをさせていただいた。

横浜駅西口では横浜市長選挙の自公候補者である林文子氏が街宣を行っていた。第2次安倍政権が発足してから4年7ヵ月もの時間が流れた。メディアは「安倍一強」なるフェイクニュースを流し続けてきたが、この化粧も剥がれ、支持率20%台という実態が露わになってきた。

7月2日の東京都議選では議席総数の5分の1にも届かない23議席獲得の大惨敗を演じた。7月23日の仙台市長選挙では、野党共闘候補との事実上の一騎打ちになったが、自公候補が敗北、野党共闘候補が勝利を収めた。

安倍政権は完全に末期症状を示しているが、安倍首相に引導を渡すのは、主権者自身である。選挙に足を運び、清き一票を投じるこのことによってしか、日本を変える道はない。その重要なステップになるのが本日の横浜市長選であり、さらに最大の決戦となるのが、次の衆院総選挙である。この衆院総選挙に向けての戦略、戦術を構築しなければならない。

民進党では前原誠司氏と枝野幸男氏が早くも代表戦への出馬意思を表明している。豊田真由子議員風に表現すれば「違うだろー!」だ。

東京都議選での民進党の獲得議席数はわずかに5だ。小池新党は55議席。大惨敗した自民でも23、公明も23。共産党が19議席であったなかで、民進党の獲得議席数はわずかに5にとどまった。だから、この選挙の直後に蓮舫代表と野田佳彦幹事長は辞任するべきだった。地位に恋々として決断が遅れたのである。

しかし、蓮舫代表と野田佳彦幹事長が辞任して、直ちに代表戦レースに古い人たちが名乗りを上げるところに本当の深刻さがにじみ出ている。ポストを欲しがる前に、やるべきことがあるだろう。

なぜ、民進党がここまで主権者から見放されているのかを考えることだ。そのプロセスが皆無で、間髪入れず、ポスト争奪戦に突き進む。もはや救いようがない政党に堕落しているのである。

私はかねてより、藤井裕久、渡部恒三、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎の10名を民主党悪徳10人衆と表現してきた。この10人が民進党を支配する限り、この政党に明るい未来は開けない。これは断言できる。

そして、過去に示した厳しい指摘=予測は、すべて、確実に的中してきた。鳩山首相が追求した普天間基地の県外・国外移設方針を攻撃して破壊した三大戦犯が、岡田克也氏、前原誠司氏、北沢俊美氏である。そして民主党政権が主権者から総攻撃を受ける最大要因になった

消費税大増税路線を推進したのが、菅直人氏、野田佳彦氏、藤井裕久氏である。この二つによって、民主党の信頼は壊滅した。その延長線上にあるのが現在の民進党である。そして、この民進党の最大の欠陥は、基本政策方針があいまいであることだ。

基本政策があいまいな政党を主権者が支持できるわけがない。原発、戦争法、格差=消費税についての基本方針があいまいなのだ。上記の悪徳10人衆は、基本的に、原発推進、戦争法肯定、消費税増税推進、である。

この悪徳10人衆が民進党を支配しているから、民進党に対する主権者の支持がまったく回復しない。この点を直視して、認識しなければ、民進党の党勢回復はないと断言できる。いま必要なことは代表選ではない。民進党の分離・分割だ。

前原氏が新代表になろうと、枝野氏が新代表になろうと、民進党の支持は回復しない。泥舟から多くの議員が小池国政新党に飛び移ろうとするだろう。

しかし、小池国政新党は、第二自公でしかない。「安倍政治を許さない!」主権者を糾合する勢力にはなり得ない。次の総選挙に向けて、どうしても必要不可欠なことが、民進党の分離・分割であることを改めて強調しておきたい。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。