<Rina Sawayama『Cherry』>カテゴライズされない在英日本人アーティストの魅力

映画・舞台・音楽

藤井夏子[音楽ライター]

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ロンドン在住の日本人アーティストRina Sawayama(リナ・サワヤマ)。リナは日本の新潟県生まれ。東京で育ち、4歳の時には父親の転勤のためイギリスのロンドンへ。その後イギリスでの生活が自身にフィットしていたためイギリスにとどまった。イギリスでは日本人学校と地元の学校を行き来し、現地の公立学校に進学。ケンブリッジ大学で政治学を学んだ後アーティスト、モデルとして活動を始めた。

彼女の注目すべきポイントは、作詞、作曲、プロデュース、ミュージックビデオの監督に至るまで全て自らこなす、「DIYアーティスト」であるということだ。もちろん、彼女の音楽性も今までのアーティストとひと味違う。

【参考】<万人受けは狙わない16歳>ビリー・アイリッシュ新曲「you should see me in a crown」

彼女の日本人であるバックグラウンドと幼少から多文化に触れた経験、様々な要素がミックスされたリナの音楽はJ-POPと洋楽の二面性を持っている。それは今まで聞いたことのない音楽を聴いているようであり、それと同時に90年代、00年代の少し懐かしさを感じさせるポップスにも聞こえるので不思議だ。

彼女が影響されたアーティストに挙げるのは、宇多田ヒカル、椎名林檎、ビヨンセ、ブリトニー・スピアーズなど。インタビューでは「曲を書く際にJ-POPの影響を受けている」とも語っており、やはり彼女の中ではイギリスで育ったとはいえソウルは日本にあるのかも知れない。

昨年にはミニアルバムを発売、今年に入りツアーもスタート。9月4日にVevo DSCVRのYouTubeチャンネルで2本のライブ映像が公開され、9月6日には新曲『Cherry』のミュージックビデオが公開。また先日世界を席巻している韓国のボーイズグループBTS(防弾少年団)のRMが彼女の曲の『Where U Are』がお気に入りだとツイッターに投稿し、話題となった。

順調なキャリアを歩んでいるリナ・サワヤマ。今後の活躍に期待するとともに、是非日本でもライブが見たいものだ。

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