アレッシア・カーラ新曲「Growing Pains」が描く青春の悩みと弱さ
藤井夏子(音楽ライター)
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カナダ出身のシンガーソングライター、アレッシア・カーラの新曲「グローイング・ペインズ」が15日リリースされた。この曲はアレッシアのセカンド・アルバム(未題)からのリードシングルとなり、アレッシア個人名義での新曲は「モアナと伝説の海」のエンドソング、「ハウ・ファー・アイル・ゴー(エンドソング)」以来となり、アルバムは実に3年ぶりとなる。
アレッシアは先日Twitter上で#acjune15thとツイートした運の良かった25人のファンそれぞれに「グローイング・ペインズ」の歌詞のそれぞれ違う一部分を公開し、25人全員に送られた歌詞を組み合わせると一曲が完成するというユニークな企画を行った。
曲名にもなっている『Growing Pains』は「青春の悩み」という意味で、まさに21歳のアレッシア自身が直面してきた子供から大人になる過程で誰しもが経験する悩みであったり疑問であったりそういったものが、今までのアレッシアの曲に比べ色濃く反映されている歌詞となっている。
【参考】エンタメ政治ショーとして米朝首脳会談を描いたNHK「ニュース7」
自分の身に起きた様々な出来事と多くの感情を自分の中にため込まないよう表に出すためにこの曲を書いたと語り、また自分はすごくエモーショナルな人とも語るアレッシア。曲の中ではfuse(導火線)と、leash(革紐)を用いて自分の感情を表現している。
今までのアレッシアの曲では「ワイルド・シングス」や「スカース・トゥー・ユア・ビューティフル」のような『ありのままの自分自身で大丈夫、自信を持って』といったようなリスナーを勇気づける曲が多かったようにも思うが、今回の曲では強さではなく弱さにフォーカスされた印象で、自分にも弱い面はあるし、まだまだ青春の悩みを抱えているというメッセージさえ感じられる。
つい最近も実生活の充実と、音楽活動に専念するためにソーシャルメディアから少し離れてもいた。歌詞の部分から見ると少し暗めの曲なのではないかと連想してしまうが、曲自体はとても明るく聞きやすいポップな仕上がりとなっていてこれからの季節にぴったりな雰囲気だ。ミュージックビデオは現地時間20日に公開だが、リリックビデオから今回の新曲、最新アルバムの世界観が感じられる。
デビュー以来注目アーティストとしてカナダ版グラミー賞ともいわれるJUNO awards(ジュノー賞)で新人賞を受賞。その後もBillboard Woman in Music(ビルボード・ウーマン・イン・ミュージック)でRule Breaker賞、今年のグラミー賞ではみごと最優秀新人賞にも輝き、まさに輝かしいキャリアを積んできたアレッシア。今回の新曲発表も多くのファンが心待ちにしていたようで、SNS上では多くの喜びの声が見られた。
今後、最新のセカンドアルバムの詳細や、今年の8月にはサマーソニックでも来日を控えているのでますます目が離せない。今後の活躍に期待だ。
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