<話題の「瞬読」って何?>年齢に依存しない本を速く読む技術


メディアゴン編集部

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「瞬読 1冊3分で読めて、99%忘れない読書術」(SBクリエイティブ )が話題だ。山のように存在している「速読本」の中で、「速く読む」超えの「瞬く間に読む」を標榜しているのだから、思わず手にとってしまう人も多いだろう。

普段、文章にばかり関わっている編集部にも「速読本」は溢れている。しかし、良いことは書いてあるけど、どれも一長一短だ。何よりも、眼球をひたすら動かす速読は読後の疲労感が大きい。そのため、読んだけど内容を覚えていない、得た知識を使えない・・・という本末転倒なことも多い。

そこで、今回は「瞬読 1冊3分で読めて、99%忘れない読書術」を実際に挑戦した上で、著者である一般社団法人瞬読協会 代表理事の山中恵美子さんに直接話を聞いた。

* * *

編集部:「瞬読」ですが、さっそく試してみました。詳細を書いてしまうとネタバレになってしまいますので控えますが、たった1回のトレーニングですが、確かに早くなりました。これまでの「速読」での懸念である読後の疲労感もなく、速く読んでいるのに内容もちゃんと覚えていますね。

山中恵美子氏(以下、山中):そうでしょう? 「瞬読」はこれまでの速読以上に早く読めるようになりますが、一番のポイントは年齢や個人の身体能力に依存しないメソッドにありますからね。

編集部:「瞬読」と「速読」では何がちがうんでしょうか?

山中:私は2歳からそろばんを習い、ちょっと自慢ですが4歳の時に珠算四級を取得しました。高校生の頃にはすでに教室で子供達にそろばんを教えるようになり、今も教室を運営しています。その経験から「瞬読」は生まれました。

編集部:そろばんから「瞬読」?

山中:そろばんを習うと幼稚園児でも2桁×2桁の掛け算を暗算ができてしまいます。これはそろばんを頭の中でイメージし、脳内でそろばんを弾いているから可能になります。これは「天才脳」とも呼ばれる右脳が活性化していることも意味しています。そろばんによって右脳が活性化し、右脳力が高まることで、脳内にそろばんをイメージすることができるようになるわけです。珠算式暗算が右脳の活性化に役立つということは、最近の脳科学でも指摘されています。

編集部:つまり、右脳を活性化させることで、本を速く読めるようになる。本を早く読むトレーニングを通して右脳力が開発される、ということですか?

山中:はい、その通りです。その意味ではそろばんの訓練を続ければ理論的には右脳力は高まりますし、本を読むのも速くなります。

編集部:そろばん教室のままで右脳開発や「瞬読」ではダメだったんですか?

山中:珠算式暗算による右脳開発には一つだけ弱点があります。それは、時間と根気が必要だということです。習い始めたらすぐに身につくようなものではありません。何年もコツコツと取り組むことでようやく右脳が活性化し、開発されてゆくのです。私自身、もっと早く右脳を活性化させたい、そんなツールやメソッドがあるはずだ・・・と考え、その最良の方法、最短の方法が「瞬読」の開発でした。

編集部:な、なるほど・・・。確かに「瞬読 1冊3分で読めて、99%忘れない読書術」を読み、一回試しただけですが、自分の右脳がどのように活性化しているのかはわかりませんが、速く読めるようになっています。

山中:「瞬読」は名前こそ「瞬く間に読む」ですが、本を早く読むだけのメソッドではありません。それは副次的な効果といっても良いかもしれません。むしろ、本を早く読むというスキルとトレーニングを通して「右脳」の潜在能力を引き出し、記憶力や問題処理能力を向上させることです。これによって、直感力、創造力などを高めることができ、教育はもとより、スポーツ、芸術、ビジネスなど、さまざまな場面で利用することができます。もちろん、純粋に本を読む楽しさ、本を読むことで知識が得られる楽しみも高まります。素早く本を読めるようになり、しかも楽しく読めて、知識も身につく。その結果、右脳力も高めるこができるわけです。

編集部:ちなみに「瞬読」は「速読」よりもどれぐらい速く読めるようになるのですか?

山中:一般的な読書のスピードは1分間に400文字から800文くらいと言われています。1分間で原稿用紙1枚から早い人で2枚といったところです。既存の「速読」は、メソッドや年齢などによって異なりますが「速解力検定」という速読のスピードを測る検定では最上級が1分間に2100文字になっています。

編集部:1分間に原稿用紙で5枚ですね。

山中:だいたい3倍から5倍の速度になるというのがこれまでの「速読」の上限だと言われています。理由はそのメソッドが眼球を動かす速度を早める技術の為、人間の肉体的限界があります。もちろん、筋肉鍛錬ですから高齢者には不向きですし、生まれつきの身体能力によっても大きく差が出ます。「瞬読」はその限界を超えるためのメソッドです。

編集部:それに対して「瞬読」ではどのくらいになるのですか?

山中:一つのケースを紹介します。トレーニング前に1分間500文字(原稿用紙1枚)だった方が、1回のトレーニングの後では、1分で4320文字(原稿用紙10枚)になっています。なお、3回目のトレーニングでは1分7万2800文字(原稿用紙182枚)にまで至っています。新書本が一冊10万文字ですから、薄い本であれば、1分間で1冊を読めてしまうスピードです。現在は30万文字を超える速度になっています。ちなみに、この方はレアケースではありません。

編集部:「早く本を読むだけではない」といいつつも、十分に早いですね。誰でもがそうなれるんですか?

山中:もちろん、個人によって差はありますが、肉体鍛錬ではありませんから、眼球の筋肉を鍛えるこれまでの「速読」ほどは年齢や身体能力には依存しません。1回のトレーニングで、1分間1万文字超えは決して珍しくはありません。

編集部:僕のような40代の中年でもまだ間に合いますか? 1回目試してかなり速くなったので、それで満足してしまいました。しかも「1回でこれだけ速くなったら、もう伸び悩むかも」などと思っています。若くないですし(笑)

山中:そんなことはありません。年齢や肉体的な影響が小さいのも「瞬読」の特徴です。むしろ、中年以降の世代の方にオススメしています。クイズやゲームではなく、本を読みながらの「脳トレ」ですかね。

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アラフォーばかりの編集部。もともと読むのは早い人ばかりではあるが、最近ではそんな脳機能も衰えつつある。一度編集部全員で試してみるので、おって報告したい。

 

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メディアゴン編集部(めでぃあごんへんしゅうぶ)2014年5月末日、東京生まれ。メディア批評・メディア評論に特化したメディア専門家によるメディアニュースサイト。キー局プロデューサー、ディレクター、イベントプロデューサー、放送作家、大学教授、評論家、ゲーム作家、弁護士・・・などなど、メディアの第一線で活躍する人材が活動中。