<号泣県議、逃走県議が貢献?>メディアが知らしめた全国バラバラの政務活動費の実態


水野ゆうき[千葉県・我孫子市議会議員]

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このところテレビを賑わせている兵庫県議会の政務活動費問題。「号泣県議」こと野々村竜太郎県議の次は、領収書の偽造疑惑について説明を求める記者を振り切って逃げ続けたことが話題となった「逃走県議」こと岩谷英雄・兵庫県議だ。

もちろん、政務活動費に関わる疑惑や問題は兵庫県議会に限った話ではない。一連の不可解な県議たちによる言動がメディアに取り上げられることによって、全国の地方議会での政務活動費の在り方が注目されるようになった。

そもそも政務活動費は報酬とは別途に議員へ支払われる費用であり、その金額や使途はその議会自らが決定している。毎月多額に支払われる議会もあれば政務活動費自体がない議会もある。そしてその使い方もその議会に委ねられている。更に公開性についても各議会バラバラだ。領収書をネット上で公開している議会もあれば、提出義務すらない議会もある。

ちなみに筆者の所属する我孫子市議会では「月額2万5千円」の年額30万円。もちろん領収書の添付が義務付けられている。しかし、政令指定都市や県議会になれば議員に支払われる政務活動費は一気に月に数十万円に上がる。それらの使い道の例を挙げれば、秘書などの人件費や事務所費、ガソリン代や視察に必要な交通費や宿泊費などが主なものだろう。

しかしながら、筆者の我孫子市議会では物品(事務用品や書籍など)の購入が主と使用途となっている。よって、議会報告をする際の印刷代や名刺代、電話代、ガソリン代などには使えない。

この「使途」が実は政務活動費問題の「要」なのだ。

自分たちの議会で政務活動費を何に使って良いかを決めている。我孫子市議会の場合、政治活動をする上で必須となる大きな費用(議会報告用の紙・印刷・デザイン代等)は自分の報酬から支払うことになる。よって結局は、政治活動をすればするほど自分の貯金はなくなるという負のサイクルになってしまう。

「同じ」政治活動をするはずの「地方議員」であるにも関わらず、支払われる政務活動費の使途や公開の在り方が全国共通でないことは不自然であり、大きな問題であろう。政務活動費という名の税金の「金額と使途と公開性の是非」を議会が自分たちで決めているからこそ様々な問題は発生するのである。

一方で、今回、政務活動費の議論を巻き起こしたのは間違いなくテレビ・メディアであった。兵庫県議員騒動にいたっては、その扱い方や見せ方の是非はあるにせよ、テレビ・メディアと映像の持つ力が遺憾なく発揮されたからだ。もちろん、これを一部の議員の不可解な言動だけに注目した一過性の「話題」として終わらせてはならない。

メディアの力によって有権者(視聴者)はこれまでさほど関心のなかった「政務活動費」という税金を知ることとなり、議会には厳しい視線が注がれることになった。テレビの情報番組が、ある種の「情報公開」に一役を買ったようにさえ思う。

しかし、まず何よりも、今回の議論を契機として、有権者は自分の重要な役割の一つに「議会と議員の監視」があることを忘れてはならない。これまで一番遠く「見えにくい」とされてきた県議会も、そして有権者の生活に一番身近な基礎自治体も、メディアと有権者の追及に対し十分な説明責任が必至となった。

我々議員自身が政務活動費について真剣に向き合うべきなのだ。

 

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水野ゆうき

市議会議員千葉県我孫子市議会
水野友貴(みずのゆうき)千葉県我孫子市議会議員(現在市議会最年少議員)。千葉県我孫子生まれ(1983年2月19日)。 小学3年〜中学2年は米国ロサンゼルス在住。津田塾大学学芸学部国際関係学科に入学・卒業後、東証一部上場企業にて5名の役員秘書を経験後、民放テレビ局に転職。報道局経済部に在籍し日経平均中継等を担当後「BSフジLIVE PRIME NEWS」キャスティング担当。2011年11月に行われた千葉県我孫子市市議会議員選挙に完全無所属・最年少候補者として立候補。前回の市議選トップの票を上回る3016票を獲得し3位当選。地盤・看板・鞄なく、SNSを駆使してボランティアを募り自宅で選挙戦を行ったことや、ネットを活用した情報発信力強化を政策の柱としていることからSNS議員と呼ばれる。