<マスコミ報道だけに振り回されるな>高血圧の新基準が「上が148以上・下が95以上」に


松井宏夫[医学ジャーナリスト]

日本人間ドッグ学会の発表した健診での「新基準」が大きな反響を呼んでいる。専門学会が猛反発しているし、気の早い高血圧患者は医師の反対を押し切って薬を止めてしまう人も……。

それほどこの基準値というのは大きな影響を持っている。

ただ、早まってはいけないのは、これはまだ決定の段階ではない。 高血圧の基準値は「上が130以上、下が85以上」どちらかが超えていると高血圧と診断される。それが新基準値では「上が148以上、下が95以上」となっている。

この新基準値はあくまで健康な人での調査であって、長い時間をかけての疫学的調査が行われたものではない。これから各学会と話し合い、最終的な基準値を決定することになる。やはり科学的根拠(EBM)に基づいて医学の健康数値は決められないと、信頼を損ねてしまう。

今回の新基準値、マスコミは面白いからと囃し立て過ぎの感はあるが、これで高血圧患者、予備軍の方々が、より真摯に高血圧に向き合ってくれるとマスコミはけがの功名になるのでは。

とまれ、基準値は正常値ではなく、あくまで基準値。最終的に治療となると、患者はひとりひとり違うことを知って主治医と十分に話し合って歩むのが大事である。

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松井宏夫(まつい・ひろお) 医学ジャーナリスト 1951年 富山県生まれ。中央大学卒。日本ドキュメントフィルム助監督、『週刊サンケイ』を経てフリーに。最先端医療やがん医療を精力的に取材。名医本のパイオニア。日本医学ジャーナリスト協会幹事、東邦大学医学部客員教授。最新刊に『がんと闘う!名医と最新治療』(主婦と生活社)。著書多数。