<エボラ出血熱は正しく怖がろう>ハンセン病もエイズも「正しい知識の欠落」が差別を生んだ


松井宏夫[医療ジャーナリスト]

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エボラ出血熱騒動は、10月27日から「エボラ出血熱、遂に日本上陸か」とマスコミは大騒ぎ。国民の恐怖心をあおっている。

今回、水際作戦はしっかりしているか? となると、疑問がある。エボラ出血熱の疑いで国立国際医療研究センターに入院し、検査を受けたジャーナリストは自分から発熱を申し出ている。サーモグラフィーではわからなかったことになる。

もちろん、発熱までには長いと21日もかかるため、発熱前のチェックは難しい。やはり、西アフリカへ行っていたかどうかのチェックがきちっと行われることが重要であり、その対策は進んでいる。

だが、何が起こるか分からない。やはり最も大事なのは、国民が正しい知識を持つことである。正しい知識を持っていて行動できれば、怖がることはないし、怖がるにしても正しく怖がることができる。

日本ではハンセン病で差別が行われ、エイズでも差別が行われた。それは正しい知識を持っていなかったからである。

正しい知識があると差別は生まれない。今回、国はもっと前面に出て、正しいエボラ出血熱の情報を正しく伝えるべきである。最も初歩的なことが手抜きになってはいないだろうか――。

 

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松井宏夫(まつい・ひろお) 医学ジャーナリスト 1951年 富山県生まれ。中央大学卒。日本ドキュメントフィルム助監督、『週刊サンケイ』を経てフリーに。最先端医療やがん医療を精力的に取材。名医本のパイオニア。日本医学ジャーナリスト協会幹事、東邦大学医学部客員教授。最新刊に『がんと闘う!名医と最新治療』(主婦と生活社)。著書多数。