<「マニフェスト」のチェックポイント>公約での「身を切る度」は投票先を判断する指標のひとつ


石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長]

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選挙を目前に控え、主要各党の公約において、議員や官僚にも「いかに身を切らせようとしているか」という部分は大きなポイントだ。

消費増税を求めるならば、政治・行政が自ら身を切らなければ説得できない!・・・という理屈が正しいかどうかはさておき、議員や官僚の「身を切る度」については、維新の党の公約が、他党とは比べものにならないほど断トツNo.1だ。

維新の党の公約集(マニフェスト)によれば、

  • 国・地方の公務員総人件費2割=5兆円削減を実現する。

と書かれている。

平成26年度予算ベースで、公務部門の人件費の姿は図の資料の通り。国家公務員(56万人・5.1兆円)と地方公務員(231万人・20.3兆円)の総人件費は25兆円の2割を削るので、削減額は5兆円となるわけだ。

 

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(出典「平成26年度 公務員人件費(政府案)」財務省主計局)

 

筆者の経験則で考えると、給料を2割減らしても構わないような職員もいるし、人員を2割削っても何ら問題ない部署も少なくない。某省の某局などは、局ごと廃止しても行政上何ら問題は生じないと思う。

しかし、その職員や組織の存在意義は、多分に個人個人の価値観に依る。だから、こうした「身を切る改革」を実行する場合には、最終的には全員・全組織を対象として「一律に2割」の人件費を削減する方法しかないと思う。

これは相当に難しいことだが、絶対にできないというわけでもない。例えば、『支持率の高い首相』ならばできる。マスコミ各社の政治部が総出で首相を支えれば、実現性は高まる。もっとも、今の日本の政治とマスコミの関係を考えれば考えるほど、それは望むべくも無い。

維新の党の公約集には「大阪府・市における改革の実績」として次のように書かれている。

  • 市長報酬42%カット
  • 退職金81%カット
  • 府議会定数2割削減(109人→88人)
  • 府議報酬3割カット

これを考えると、政治の強いリーダーシップがあれば、困難な改革も少しは進むかもしれない。

 

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石川和男

石川和男(いしかわ・かずお)NPO法人社会保障経済研究所・理事長。1965年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒業。1989年、通商産業省(現経済産業省)入省。エネルギー政策、産業保安政策、産業金融政策、中小企業政策、消費者政策、物流・流通政策などに従事。2007年3月、経済産業省を退官。2008〜09年、内閣官房・国家公務員制度改革本部、東京財団上席研究員、政策研究大学院大学客員教授、政府の規制改革会議、行政刷新会議WGなどの委員を歴任。