<「私がしてあげる詐欺」に注意>もしも自分の老後が認知症でひとり人暮らしだったら

山口道宏[ジャーナリスト]

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日本は長寿国家である。それ自体は慶賀されることだが、認知症、高齢者のひとり暮らしという問題も身近になった。
なにしろそうなった時、親や兄弟など、自分を心配してくれたり、面倒見てくれるような人たちが生きているとは限らない。今後ますます単身化が進む時代になってゆくのだから、老後の暮らしが「ひとり」というようなケースも珍しいことではなくなるはずだ。
そんな時のための「成年後見人の活用を」と言われても、まだその認知度はひくい。
例えば、こんなケースがあった。

「私が面倒みてあげる」

と、認知症を煩う90歳のひとり暮らし女性のもとに近所に住む世話やき女が登場した。
世話やき女は、老夫人の家に友人を呼ぶと、いつしか飲めや歌えの連日の宴。高級な鮨やオードブルの出前、高価な洋酒が並んだ。ただし、家主である肝心の老夫人はその輪にはいない。ひとりテレビを見ているか、背を向けていたのだ。
そして、「通帳管理」を誰がどうやって託したというのか、1000万円が無断で引き出されていることが発覚した。
そもそも世話やき女が「ヘルパー派遣をやめて」まで「ひとり暮らし女性の面倒を見る」といったところからして怪しい。世話やき女は、いつから老夫人の「代理人」になったというのか。
「おれおれ詐欺」でない、「私がしてあげる詐欺」が登場しているのである。
 
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